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Columnコラム

2025.10.26
TCBについて美容整形全般

ドクターコラボモニター、日時限定モニターの闇~TCBの実態も暴露

お得に施術が受けられるチャンスということで、「〇〇ドクターコラボモニター」「〇月〇日限定モニター」という告知を見ることがありますよね。今回は、これらのモニターがどのような背景で募集されているのか、その闇を暴きたいと思います。

外科医が技術を習得する方法

ドクターコラボモニターの闇を暴く前に、前提知識として外科医がどのように技術を習得しているのかをまずご説明します。

オペ可表とは?

美容外科医には、一般的に医師になって2年間の初期研修を終えた医師(いわゆる直美)、または他の診療科で何年か保険診療をして転職してくる医師の2パターンの入職経路があります。他の美容外科から転職した医師を除けば、仮に形成外科で10年の経験がある専門医であろうとも、直美と同様に一から美容外科の手技を習得していかなければなりません。

ある程度の大きさの美容外科であれば、どのドクターが何の施術ができるのか、あるいはまだできないのかが明確にわかるように、施術ごとに〇、△、×などの印がついた一覧表が存在し、スタッフやドクター間で共有されています。この一覧表は業界では「オペ可表」と呼ばれています。ある施術を1人でできるようになるには、オペ可表が〇である必要があり、この〇を増やして様々な施術を1人でできるようになることが、当面の目標になります。

オペ可表の例


施術の難易度や美容外科によって基準は様々ですが、ある施術のオペ可表を〇にするためには、指導医の監督下に施術をして何症例か集めて、一定期間経過が問題なければ指導医からチェックを受けて〇になるのが一般的です。

外科医が初めて手術をする時

では、ドクターたちはどのように症例を集めて技術を習得しているのでしょうか?もちろん、まずは実際に先輩ドクターの手術を見学したり、教科書や論文、手術動画などで勉強し、手術練習用のキットや外科手術用の豚の皮などを使って机上で練習します。これは外科医であれば、美容外科でも保険診療でも当たり前のことです。そして、全ての外科医に言えることですが、実際の患者様に初めて手術を行う機会というのがあるわけです。

保険診療の場合

心臓を縫ってみた

保険診療では、手術中に術者から「じゃあ皮膚を縫ってみろ」、「胆のう取ってみろ」、「心臓縫ってみろ」、「血管つないでみろ」なんてことが何度も行われ、一通りできるようになったら、初めて症例が当てがわれて、術者として初めての手術を行うというわけです。

初めての手術

その中で、患者様に、「いやあ、今日実は私、初めてこの手術するんですよ、緊張してますが一生懸命やるのでよろしくお願いします」なんてことは絶対に言わないワケですよ。これはおそらく全国共通だと思います。そんなことを言って「あなたじゃ不安なので、別の先生に変えてください」、なんてことを言われたら外科医は育たないですから。そこも含めて保険診療なんです。保険診療では、ドクターを選ぶことは基本的にできません。そんなわがままを言っていると、「嫌なら他の病院に行ってください」と言われても仕方ありませんし、手術待ちの患者様がたくさんいるので、条件を付けてくる患者様は手術待ちリストから外されたり、他の患者様を優先されてしまいます。それが保険診療の実態です。

手術が初めての医者

また、大学病院や総合病院などの初期研修や後期研修医を受け入れている病院の場合、若手のトレーニング施設を兼ねています。外科医を育てていかなければならないので、定型的な手術は若手が執刀しているケースが多く、指導医が第一助手となって手術が進められているのです。次世代の外科医を育てて技術を絶やさないことは、未来の患者様を救うことにつながるのです。

では、経験の浅いドクターが執刀することが、即ち患者様にとって不利益につながるかというと必ずしもそういうことではありません。当然、指導医が安全性に十分配慮した上で手術は進められますし、最終的に指導医が手伝うので手術が不十分に終えられることはありません。また、研修医が手術した方が術後の経過が良いという研究結果もあるくらいです。

美容外科の場合

では、美容外科ではどうなっているのでしょうか?当然ですが、美容外科に入職してきたドクターが、初めて手術をする時というのは必ずあります。二重埋没法、二重切開法、クマ取り手術、糸リフト、切開リフトなど、施術ごとに今日初めて患者様に手術するというタイミングがあるのです。

業界のご意見番的な美容外科医や、誰もが知る有名ドクター、他院批判に余念がない美容外科のドクターたち。そんなドクターたちにも初めて経験した症例は必ずありますし、苦い経験をしながら自分たちがどのように未熟な技術を向上させてきたのか、彼らの口から明かされることは決してないのです。

次の章では、これまで業界で明かされることが無かった、美容外科医の技術習得事情の闇について迫りたいと思います。

美容外科における技術指導の闇

保険診療と美容外科との違い

実は、美容外科における技術習得、技術指導のプロセスは保険診療のそれと大差はありません。まず、教科書等で学び、先輩の手術や手術動画を見たり、机上で練習したり、手術を部分的にやらせてもらったり。ある程度できるようになって、手術が完遂できると判断されたときに症例が当てがわれて、初めて術者として最後まで手術を行います。

ただ、保険診療との大きな違いが2つあり、1つ目は保険診療は全身麻酔の手術が多く手術中にドクター同士の会話が可能であり、上手くできなくて術者が途中で変わっても、それを患者様に悟られることが無い点です。逆に、美容外科では局所麻酔で行う手術が多いので、会話が全て患者様に聞こえている状態です。従って、指導医が声を出して指導しながら手術を行うということができません。なぜなら、美容外科でも保険診療と同様に患者様はドクターが初めて手術を行うとか、技術的に未熟であるということを知らされることが無く、あるいは「その道の名医」であると説明を受けているので、外野から指導が入ったら強い不信感を感じてしまうからです。

また、もう1つの保険診療との大きな違いは、美容外科ではドクター1人で行える小手術がほとんどだということです。つまり、ドクターが複数名で手術に入ることはまずないので、そもそも声を出さないにしても一緒に助手として手術に入って手取り足取り教えたり、手術ができないから途中で術者を交換するということも難しいのです。そんなことをしたら、患者様にバレてしまいますから。二重埋没法であれば普通は10~15分で終わるところ、未熟なドクターが1人で手術した場合、1時間以上経っても手術が終わらないというようなことも実際に起きるのです。もちろん、そうなる前に指導医が患者様に悟られないように息を殺しながら手伝うなんてことも行われているかも知れませんね。

格安モニター告知の闇

美容外科では、保険診療と同様に初めて手術を担当する場合や術者が未熟なケースでも患者様に何も伝えられることが無いのが一般的です。

ここで、冒頭の「〇〇ドクターコラボモニター」「〇月〇日限定モニター」の話に戻るのですが、これが意味するところは、要するに全くその施術をしたことが無いか、ほとんど経験したことがない未熟なドクターが、指導医の教えを乞うためのモニターなのです。コラボするドクターは当然技術指導医であり、日時を限定するのは、指導医とのスケジュールを合わせるためです。そうでなければ、他のドクターとコラボしたり、日時を限定した割引モニターを募集するメリットがクリニックが側に全くないのです。

オペ可表に〇をもらうためには?

これらのモニターで症例数をこなして問題なければ、指導医からオペ可表に〇がもらえます。つまり、オペ可表を進めるためのモニターであり、コラボモニターや日時を指定するモニターを募集しているドクターは、漏れなくその施術を全くしたことが無いか、経験がとても浅いドクターということになります。

問題なのは、こういうことを全く説明しないでモニターを募集しているし、実際に手術をしているということなんですよね。皆さんは、初めてその手術をするドクターの手術を受けたいと思いますか?受けたいという人は少数派なのではないしょうか?

ドクターコラボモニターの闇

SNSでは、このようなモニターの告知は溢れおり、安いのでつい応募したくなってしまうと思いますが、自分の体のことなのできちんと考えた上で応募するのが良いですよ、というのが私からのアドバイスです。

TCBでの技術指導の実態

私自身の指導経験から

最後にTCBの技術指導の実態について暴露します。

今までの話、もしかして「TCBのことなのでは?」と思っている方も多いのではないでしょうか?私が知っている限り、TCBではこのような「〇〇ドクターコラボモニター」や「日時限定モニター」は募集していませんでした。では、私がTCBに在籍していたときに、技術指導医としてどのように他のドクターに指導をしていたかをお話しします。

当然、私の手術や手術動画をまず見てもらって、手順などを説明できること、また机上で再現できることが前提条件で、それをクリアした段階で、たくさんいるスタッフやその家族の中から施術をしたい人を募集して、一緒に手術を手伝いながら指導していました。ある程度できるようになったと判断したら、患者様に事情を説明して何かあれば責任を持つから指導医の監督のもとに手術をやらせて欲しいと許可をもらって、指導していました。もちろん、断る方もいましたが、料金をできるだけ安くしたいという患者様もいますし、例え違うドクターの手術でも、私の監督のもとに手術を受けることに安心されたり、喜ばれている方もいたくらいです。

私自身、美容外科に入職して初めてその手術を患者様にするという機会が何度もありましたが、実は同じように指導医から患者様に説明がされた上で経験を積ませていただいたのです。

患者様に嘘をついたり、説明なしに経験の浅いドクターに施術させることが横行している業界ですが、工夫すれば患者様も納得した上で、ドクターにとっても有意義な指導が受けられるのです。

今回のテーマは美容外科医の技術習得事情の闇についてのお話でした。色々闇深い業界ではありますが、それらを明らかにしていくことで、業界全体が良い方向に向かって行くことを私は願っています。

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