下肢静脈瘤・ハンドベイン・アームベイン治療とは

下肢静脈瘤、ハンドベイン、アームベインは、いずれも静脈が拡張し、皮膚表面に浮き出て見える状態を指します。
下肢静脈瘤は、脚の静脈が拡張し、蛇行して浮き出る状態を指します。長時間の立ち仕事や遺伝、妊娠などが原因で静脈の弁が機能不全を起こし、血液が逆流して静脈が拡張します。症状としては見た目の変化だけでなく、脚のだるさ、むくみ、痛み、さらには皮膚の色素沈着や潰瘍を引き起こすこともあります。※当院の下肢静脈瘤治療は美容目的で行うため保険適用外です
ハンドベインは、手の甲や指の背に現れる青紫色の血管のことを指します。加齢や女性ホルモンの影響、遺伝的要因、日常的に手を酷使することなどが原因で発症すると考えられています。
アームベインは、腕の静脈が拡張して目立つ状態を指します。これも加齢や遺伝、筋肉の発達、皮下脂肪の減少などが原因で起こります。特に、ボディビルダーや筋力トレーニングを行う方に多く見られます。
当院では各部位の静脈拡張に対して、レーザー治療や硬化療法など、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療法を提供しております。
下肢静脈瘤・ハンドベイン・
アームベイン治療がおすすめな方

- 手の甲や腕の血管が目立ち、老けた印象を持っている方
- 脚の血管が浮き出て見え、見た目が気になる方
- 日常的に手や腕を酷使する仕事やスポーツをしている方
- 長時間の立ち仕事や座り仕事で、脚のむくみやだるさを感じる方
- 痩せ型で皮下脂肪が少なく、血管が目立ちやすい方
下肢静脈瘤・ハンドベイン・
アームベインの治療方法
血管内レーザー治療

血管内レーザー治療は、皮膚を切開せずに、カテーテルという細い管を血管内に挿入し、内部からレーザーを照射して静脈を閉塞させる方法です。特に、下肢静脈瘤の治療においては2011年から保険適用となり、広く普及しています。
当院ではハンドベイン及びアームベインに適応する治療として行わせていただいております。※下肢静脈瘤には行っておりません。
メリット
皮膚を切開する必要がないため、痛みや腫れが少なく、身体への負担を最小限に抑えることができます。施術後の回復が早く、ほとんどの患者様が日帰りで治療を受け、その日のうちに帰宅することができます。
リスク・副作用
術後には軽度の腫れや赤み、内出血、痛みを感じることがありますが、通常数日から数週間で自然に改善します。皮膚に色素沈着が生じることがありますが、多くの場合、時間の経過とともに薄くなり、最終的にはほとんど目立たなくなります。
硬化療法

硬化療法は、硬化剤という薬剤を血管に直接注入し、閉塞させる方法です。硬化剤を注入された血管は時間とともに退化し、最終的には体内に吸収されて目立たなくなります。効果が現れるまでに数週間から数ヶ月かかりますが、特に細い血管やクモの巣状・網目状の静脈瘤に対して効果的です。
メリット
注射のみで施術が完了するため、身体への負担が非常に軽く、日帰りでの施術が可能です。ほとんどの場合、施術は30分以内で終了するため、多忙な方にも適しています。ダウンタイムの症状もほとんどなく、治療後すぐに日常生活へ戻ることができる点も大きなメリットです。
リスク・副作用
施術後には、一時的な腫れや赤み、内出血が見られることがありますが、これらの症状は通常1~2週間程度で自然に消失します。治療部位に軽い痛みを感じることもありますが、必要に応じて鎮痛剤を使用することで快適に過ごすことができます。まれに治療部位に色素沈着が生じる場合がありますが、多くの場合、時間の経過とともに薄くなり、最終的にはほとんど目立たなくなります。
スタブ・アバルジョン法
当院では下肢静脈瘤に対してスタブ・アバルジョン法(Stab avulsion)という術式で施術を行います。ぼこぼした血管の数カ所に2-3mm程度の小さな切開を加えて、特殊な器具を使って静脈瘤を切除する手術です。
メリット
手術直後から血管のボコボコが目立たなくなります。
傷が小さいため縫う必要がなく、傷跡が殆ど残りません。
術前に局所麻酔を行うことにより術中の痛みはほとんど感じられない手術です。
リスク・副作用
治療当日や翌朝に鈍痛を感じる方がいらっしゃいますが、消炎鎮痛薬の服用で改善し、長期間持続することはありません。
内出血はしばしば認められますが、時間経過(3-4週間)で回復します。
当院の下肢静脈瘤・ハンドベイン・
アームベイン治療の特徴

経験豊富な医師による施術
当院では、心臓血管外科出身で、下肢静脈瘤やハンドベイン・アームベインにおける治療経験が豊富な医師が施術を担当します。患者様の血管の状態や症状に基づいて適切な治療法を選択し、高い技術力で施術を行います。患者様が抱える小さな疑問や不安にも丁寧にお答えし、安心して治療を受けられる環境を整えています。
痛みに配慮した治療
患者様が快適に治療を受けられるよう、痛みに配慮した施術を行っています。施術時には局所麻酔を使用するため、痛みをほとんど感じることはありません。さらに、術後の痛みや腫れを最小限に抑えるために、弾性包帯の着用など、治療後すぐから適切なアフターケアを提供しています。
オーダーメイド治療の提供
患者様の症状やライフスタイル、ご希望に合わせて、オーダーメイドの治療計画を立案しています。例えば、片側だけの治療や特定の血管に集中した施術など、患者様の要望に柔軟に対応します。また、治療を希望される部位が複数ある場合でも、適切な優先順位をつけ、負担を軽減しながら効果的な治療を進めることが可能です。
ハンドベインには脂肪注入という選択肢も
ハンドベイン改善が見込める施術として手の甲に脂肪注入するという施術もあります。
これは、特殊な技術で濃縮した自分の脂肪を手の甲に注入する施術です。
通常の脂肪注入と違って肥大化した老化細胞は含まれておらず、良質な脂肪のみを抽出・注入します。そのため、脂肪が定着しやすく、加齢・老化によって減少した脂肪を取り戻すエイジングケア治療としても注目されている施術です。
当院の下肢静脈瘤・ハンドベイン・
アームベイン治療の流れ

STEP.1初診・カウンセリング
まず、患者様の症状やお悩みを詳しくお伺いします。その後、診察を通じて患部の状態を確認し、血管の状態を正確に評価します。
ハンドベイン・アームベインについては、血管内レーザー治療または硬化療法のいずれかを選択し、それぞれのメリットや治療後の経過について丁寧にご説明いたします。
下肢静脈瘤はスタブ・アバルジョン法がメインの治療となり、クモ状・網状静脈瘤については硬化療法を行います。

STEP.2治療前準備
治療当日は患部を清潔にし、局所麻酔を施します。患者様がリラックスして治療を受けられるよう、細心の注意を払って準備を進めます。

STEP.3治療開始
レーザー治療の場合、局所麻酔が効いたことを確認した後、超音波ガイド下で細いレーザーファイバーを患部の血管内に挿入します。施術時間は部位にもよりますが、通常30分から1時間程度で終わります。
硬化療法の場合、患部の血管に対して硬化剤を注入します。治療時間は約10分程度と短時間で終了します。

STEP.4術後ケアと経過観察
治療後は、患部の保護のために弾性包帯をご使用いただく場合があります。
これにより出血や腫れなどを緩和することができます。
術後の経過を確認するため、必要に応じて定期的な通院をお願いする場合があります。多くの患者様は、術後すぐに日常生活に復帰されており、翌日からの軽い運動も可能です。
