ワキガ治療とは
ワキガは、わきの下から[1] 独特の臭いを放つ特徴があり、通常の汗の臭いとは異なります。この臭いの原因は、アポクリン汗腺という特殊な分泌腺だと言われています。
アポクリン汗腺は、わきの下、耳の内部、陰部、乳輪などに多く分布しており、分泌される汗にはアンモニアや脂肪などが含まれ、粘り気があるのが特徴です。
この汗が皮膚の表面で細菌によって分解される過程で、特有の臭いが発生します。
ワキガの治療は、臭いの原因となるアポクリン汗腺を取り除くことで、症状の改善を目指す方法です。手術としては、わきの部分に約3~5cmの切開を加え、皮膚の裏側にあるアポクリン汗腺を直接目で確認しながら除去する施術が行われます。
この手術は剪除法と呼ばれ、ワキガの改善に効果的とされています。また、この剪除法により多汗症の症状が軽減されることも期待できます。

治療を検討される方には、まずカウンセリングを実施し、患者の症状の度合いや日常生活での悩みを詳しく伺います。ワキガや多汗症でお困りの方は、まずはご相談いただくことをお勧めします。
ワキガと多汗症の違いとは

ワキガと多汗症はどちらも汗に関する症状ですが、原因や特徴が異なります。
ワキガは、わきの下などに多く分布するアポクリン汗腺から分泌される汗が原因です。この汗には脂肪やタンパク質が含まれており、細菌によって分解される際に独特の臭いが発生します。ワキガの症状は遺伝することが多く、耳垢が湿っていたり、衣類のわき部分が黄ばんだりするのが特徴です。治療にはアポクリン汗腺を直接取り除く手術が効果的で、臭いの根本的な解消が期待できます。
一方で、多汗症は体全体に分布するエクリン汗腺から分泌される汗が原因です。エクリン汗腺は体温調節のために働きますが、多汗症の人は特定の部位、特に手のひら、足の裏、ワキなどで過剰に汗をかきます。
多汗症の原因は、自律神経の乱れやストレス、緊張などによるもので、遺伝とは関係がありません。治療法としては、ボトックス注射や内服薬、エクリン汗腺を抑制する手術が効果的です。
ワキガは臭いの悩み、多汗症は汗の量の悩みという点が主な違いです。それぞれの症状に合わせた適切な治療を受けることが重要になります。
多汗症の治療にはわきボトックスがおすすめ</h3>
わきボトックスは、多汗症の治療に非常に効果的な方法です。ボトックスをわきの下に注射することで、エクリン汗腺の働きを一時的に抑制し、過剰な汗の分泌を防ぎます。治療後、通常2週間程度で効果が現れ、約6ヶ月間持続します。そのため、定期的にボトックス注射を行うことで、継続的に多汗症を改善することが可能です。
治療は注射だけで完了し、わずか15分程度で終わります。ダウンタイムもほとんどなく、すぐに日常生活に戻れます。また、ボトックスの副作用は少なく、まれに注射部位に腫れや赤みが生じることがありますが、数日以内に回復します。
わきボトックスは、手術を避けたいが多汗症の症状を改善したい方には特におすすめです。医師が患者の症状に合わせて注射量や部位を調整できるため、自然で効果的な結果が得られます。
ワキガ治療がおすすめの方

ここからは、ワキガ治療がおすすめの方の特徴を紹介していきます。ワキガの症状は、生活の質に大きな影響を与えることが多く、日常生活や人間関係に不安を抱える方も少なくありません。もしも、これから紹介するようなお悩みをお持ちの方には、治療を検討することをおすすめします。
臭いに関する悩みが深刻な方
極度のワキガや多汗症で日常生活に支障をきたしている場合、根本的な改善を目指す手術が非常に有効です。強い臭いが気になる方や、治療に対して確実な効果を望む方にとって、手術は症状を根本から改善するための最適な選択肢となります。
ワキガの臭いは、体調や生活習慣に関わらず、遺伝や汗腺の過剰な分泌によって引き起こされるため、ボトックスや一時的な対処法では改善が難しい場合があります。そのため、手術による汗腺の除去や調整は、長期的に安定した結果を得られる方法として、多くの患者に選ばれています。
衣類の変色が気になる方
シャツや下着のわき部分が黄ばむ、わき汗が多い、わき毛が濃いといった特徴がある方は、アポクリン汗腺が活発に働いている可能性が高いです。アポクリン汗腺は、体の特定の部位—特にわきの下や陰部、乳輪などに多く存在し、粘り気のある汗を分泌します。この汗は、脂肪や鉄分、アンモニアなどを含んでおり、細菌と反応することで特有の強い臭いを発する原因となります。
また、アポクリン汗腺の影響を受けると、わき汗が多くなるだけでなく、衣類のわき部分が黄ばむこともよくあります。このような症状が見られる方は、ワキガや多汗症の可能性があり、専門的な治療を検討することが有益です。
当院のワキガ治療の
リスク・副作用・ダウンタイム
剪除法は、アポクリン汗腺を直接目視しながら除去することで高い効果が期待できるワキガ治療の方法です。ただし、術後には一定期間のダウンタイムが生じ、副作用もあるため、事前の理解が重要です。
主なダウンタイムは、術後3〜5日間のワキの下の腫れや1〜2週間のむくみです。また、傷口が硬くなることがありますが3ヶ月〜1年程度で柔らかくなっていきます。
副作用としては、痛みや内出血、赤みかゆみ、知覚鈍麻・知覚過敏を発症する可能性がありますが、時間とともに回復していくでしょう。
術後は腕を大きく動かす動作や激しい運動を避けて、お風呂は医師の指示があるまでシャワーのみにしましょう。傷口が濡れた場合は優しく乾かして、制汗剤やデオドラントの使用は、傷が完全に治るまで控えて患部は常に清潔に保ちます。重い荷物を持つなど腕に負担がかかる行為は極力避けて、日常生活の動作もできる限りゆっくり行うようにしましょう。
当院のワキガ治療の流れ

ここでは、当院のワキガ治療の一連の流れをご紹介します。治療前にはしっかりとお話をお伺いし、ご希望に合わせた最適なアプローチをご案内いたします。ワキガ治療を行うにあたっての準備や施術後のケアも含め、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。ワキガに悩んでいる方はぜひご相談ください。
STEP.1カウンセリング・診察
医師がワキガの程度やわきの下の状態を確認します。
治療内容やリスク、副作用について丁寧に説明し、患者に最適な治療方法を提案します。

STEP.2手術前の準備
手術当日は、わきの下を清潔にし、麻酔を行います。局所麻酔を使用し、痛みを最小限に抑えます。

STEP.3切開・アポクリン汗腺の除去
わきのシワに沿って約3〜5cmの切開を行います。切開部分から皮膚を裏返し、目視でアポクリン汗腺を丁寧に取り除きます。アポクリン汗腺を直接除去することで、臭いの原因を根本的に解消します。

STEP.4縫合
アポクリン汗腺を除去した後、切開部を縫合します。縫合はワキのシワに沿って行うため、傷跡が目立ちにくくなります。

STEP.5術後のケア・経過観察
手術後はガーゼで固定し、患部を保護します。痛み止めや抗生物質を処方し、感染を防ぎます。術後1~2週間で抜糸を行い、経過を確認します。その後、定期的に診察を受け、傷口の回復状況を確認します。

STEP.6アフターケア
術後に硬縮や傷跡のケアが必要になる場合があります。これに対するマッサージ指導や必要に応じた治療を行います。気になる症状が続く場合は、早めに相談することで、適切な対処が可能です。