オステオポール除去とは
オステオポール除去とは、過去にオステオポールを用いた鼻尖形成術(鼻先を高くしたり、細くしたりする手術)を受けた方が、何らかの理由でオステオポールを取り除く手術のことです。

上記のように鼻穴の上に軟骨があり、その上に乗っかっている丸い形状の物質がオステオポールです。
溶ける糸をメッシュ状に丸めたもので、オステオポア、3DPCLボール、あるいは3Dメッシュという名称でも呼ばれています。
素材は、長年にわたり医療現場で使用されているPCL(ポリカプロラクトン)という生体吸収性ポリマーが用いられており、FDA(アメリカの食品医薬品局)の承認も得ているので、素材自体の安全性は確立されています。
安全性の高い素材を使用しているので、自家軟骨移植に代わる鼻尖形成として人気を集めたオステオポールですが、近年では術後の不快感や位置のずれを理由に、除去を希望するケースが増加しています。
このようなトラブルは、オステオポール自体の安全性とは関係なく、施術を行う医師の技術不足や経験不足によって引き起こされることがほとんどです。
こんなお悩みの方におすすめ
オステオポール除去がおすすめな方は、以下のような方々です。
- 術後に鼻先に違和感や異物感を感じる
- 鼻先の形が変化・変形してしまった
- 鼻先が硬くなった、または赤みや炎症が出ている
- 将来的なリスクを懸念している
- 希望する鼻の形が変わった
オステオポールによるトラブルは?

オステオポールは、挿入後数年経過しても鼻先に残り続けることが多く、外見上問題がないように見えても、鼻翼軟骨の変形や皮膚への過剰な負担といった潜在的なリスクを抱えている可能性があります。
鼻の形状の変化・変形
オステオポールを挿入後に移動したり、中で動いてしまったりすることで、鼻の形が変形してしまう恐れがあります。手術直後は理想的な状態に見えても、時間とともに見た目の変化や違和感が生じるケースは少なくありません。
特に、施術者の技術不足によりオステオポールが適切に固定されていないと、術後にずれが生じ、鼻が曲がって見えるという深刻な事態を招く可能性があります。
オステオポールの突出
オステオポール挿入後、縫合が適切に行われなかったり、傷口の治りが遅れたりすると、オステオポールが皮膚を突き破って突出する危険性があります。
皮膚への血流不足と壊死
オステオポールは鼻を高くするために必要な硬さと大きさを持つため、挿入部位の皮膚が圧迫され、血行不良を引き起こすことがあります。血流不足が続くと、皮膚の色調変化(白っぽくなるなど)、痛み、感覚異常などに加え、最悪の場合、皮膚組織の壊死に至る可能性があります。
皮膚の壊死が進行すると、紫色ないし黒色への変色が見られ、激しい痛みを伴います。これは、オステオポールが皮膚に過剰な圧力を加えることが大きな要因となっています。
感染症のリスク増加
皮膚の壊死は、皮膚が本来持つバリア機能を著しく低下させます。これにより、細菌、ウイルス、真菌などの外敵が体内に侵入しやすくなり、感染症のリスクが大幅に高まります。鼻先はもともとデリケートな部位であり、皮膚の血流も比較的悪いため、感染のリスクが高い部位と言えます。
これらのリスクは、オステオポール自体の素材が原因ではなく、施術を行う医師の技術や経験、術後のケアなども大きく影響します。そのため、オステオポールを用いた施術を受ける際には、経験豊富な医師を選び、リスクについて十分に説明を受けることが重要です。
オステオポール除去+鼻尖形成手術も可能
当院ではオステオポール除去と同時に鼻尖形成手術を行うことも可能です。
オステオポールは周囲の組織と癒着を起こしている可能性が高いため、単純に取り出すというよりも、周囲の組織を含めて摘出することが多く、その結果、元の状態よりも鼻が低くなってしまうことがあります。そのため、必要に応じて他の手術を併用した修正手術をご提案する場合があります。
鼻尖形成術
オステオポール除去と併せて鼻尖形成を行うことで、鼻先の高さ、向き、丸みなどを細かく調整し、理想的な鼻の形に近づけることが可能です。鼻尖形成術はオステオポールに比べて皮膚への負担が少ないため、より自然な仕上がりが期待できます。
耳介軟骨移植
オステオポール除去手術と同時に耳介軟骨移植を行うことで、自然で美しい鼻のラインを形成します。移植に使用する軟骨は患者様ご自身の耳から採取するため、拒否反応やアレルギー反応といったリスクは極めて低く、安心して手術をお受けいただけます。
また、仕上がりは自然で傷跡も目立ちにくいため、周囲に鼻の整形をしたことを気づかれにくいという点も魅力です。
施術の流れ
オステオポール除去手術の流れをご紹介します。
STEP.1カウンセリング
カウンセリングでは、患者様の鼻の状態を確認し、現在の症状や除去後の希望などをお伺いします。オステオポール除去と同時に行う可能性のある鼻尖形成・軟骨移植などの追加手術、費用、ダウンタイムについてもご説明いたしますので、ご不明な点は遠慮なくご質問ください。

STEP.2麻酔
局所麻酔または必要に応じて静脈麻酔などを行い、手術中の痛みを最小限に抑えます。麻酔方法についても、患者様の状態やご希望に合わせて選択します。

STEP.3手術
手術では、まず鼻の穴のキワの皮膚を切開します(多くの場合、オープン法で行われます)。次に、鼻先周りの皮下を丁寧に剥離し、オステオポールを除去します。除去後の空洞部分には、必要に応じて耳介軟骨などを移植する鼻尖形成術を行います。

STEP.4アフターケア
手術後はリカバリールームで安静に過ごした後、出血が止まっていることを確認し、状態が安定していればご帰宅いただけます。

オステオポール除去のリスク・副作用
オステオポール除去手術は、皮膚を切開してオステオポールを取り出す外科手術であるため、他の外科手術と同様に、感染症のリスクが伴います。
また、副作用としてはむくみや熱感が生じる可能性がありますが、手術後の炎症反応によるもので、通常は時間の経過とともに落ち着きます。腫れや内出血も一般的な副作用として見られますが、通常は1〜2週間程度で自然に治まります。
症状が長引く場合や、気になる症状が現れた場合は、自己判断せずに医師に相談するようにしてください。
その他のPCLメッシュ除去
オステオポール以外でもPCLを用いた隆鼻術は昨今、数多く提供されております。
Gメッシュ、Gコグノーズなどの名称で提供されている施術がそれに該当します。
「切らない隆鼻術」、「鼻の糸リフト」、「ヒアルロン酸注入より持続する」などといった一見聞こえのよいキャッチフレーズで宣伝されていることが多く一定の需要がありますが、オステオポール同様に術後の不快感や術後、暫く経過してから挿入したPCLメッシュが鼻の中で動いてしまい位置のずれが生じるなどの理由から除去を希望されるケースが後を絶ちません。
鼻の異物除去は当院までご相談ください
当院では、豊富な経験と高度な技術を有する医師が、質の高い手術をご提供しています。オステオポールやPCLメッシュによるトラブルや修正についてお悩みの方は、まずはカウンセリングにお越しください。