クマ取り注射とは
クマ取り注射とは、黒クマ(影クマ)、赤クマ、青クマなど、それぞれの症状に応じた注射をすることでクマを改善する施術です。手術治療とは異なり、ダウンタイム中の腫れも小さいため、より気軽にクマ治療を受けることができます。
一方で、注射単独、手術単独で対応することが難しい複合的なクマの場合、注射と手術を組み合わせることでより効果的にクマを改善させることが可能です。
目の下のクマの原因

目の下のクマの原因は、多く場合で「目の下の膨らみ」とその下にある「眼窩縁の凹み(へこみ)」によって形成される影(黒クマ)です。また、下まぶたの皮膚が薄いことによってその下の組織(血管や筋肉)が透けることで青クマや赤クマの原因となります。
目の下の膨らみと眼窩縁の凹み

目の下の膨らみは、眼窩脂肪の前方突出が主な原因です。遺伝的要因により、生まれつき眼窩脂肪が多い場合や骨格的に膨らみが目立ちやすい場合があります。また、加齢により目の周囲を支える筋肉や靱帯が弱まり、脂肪が突出することもあります。

また、眼球は骨の窪みに埋まっており、その窪みを眼窩と言います。眼窩の縁を眼窩縁と言い、鼻、眉、ほほ骨などと比較して凹んでいるのが通常です。従って、球体である眼球の黒目の部分が一番前にあり、その周りは1周凹んでいるのが普通です。これが、上の写真の矢印で示した眼窩縁の凹みです。特に、目頭から目の下にかけては、ティアトラフ靭帯(眼窩下リガメント)によって皮膚や筋肉が骨に固定されており、ティアトラフ(tear trough)と呼ばれる溝(凹み)を形成している場合が多いです。
眼窩脂肪の前方突出と、ティアトラフの凹みが作る高低差による影が、黒クマ(影クマ)の正体なのです。黒クマは影なので、高低差を無くすことで影が消えるのでクマも消すことができます。もし、根本的な治療をご希望の場合は、経結膜脱脂術や裏ハムラ法のページをご覧ください。
目の下のクマの原因

クマには青クマ、茶クマ、赤クマ、黒クマの4つのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。
- 青クマ…血行不良や睡眠不足、冷えが原因
- 茶クマ…肌の摩擦や紫外線などによるシミ、炎症による色素沈着が原因
- 赤クマ…脂肪が膨らんで皮膚が押されることで血管や筋肉が透けて赤く見えることが原因
- 黒クマ…目の下の膨らみや、ティアトラフの凹みで影ができることが原因
これらのクマは、単独で存在する場合もありますが、多くの場合は混在しています。患者様それぞれの状態に合った適切な治療を行うことで、効果的にクマを改善することができます。
クマ取り注射がおすすめの方

クマ取り注射は、黒クマ、青クマ、赤クマに対応しており、これらのクマがある方全般におすすめです。
手術治療に抵抗があり、注射だけで少しでもクマを改善したい方
目の下の膨らみがある場合、手術以外にそれを改善する方法は無いので、絶対的な手術適応になります。しかし、患者様によっては手術のダウンタイムが確保できなかったり、手術そのものに抵抗がある場合も少なくありません。そのような場合、眼窩縁の凹みだけでもヒアルロン酸注射(クマ取り注射・黒クマ)で埋めてしまえば、ある程度影クマを改善することができます。
手術治療をしたものの、クマが残っている方
手術後にクマが残っているケースも珍しいことではありません。原因としては、
①眼窩縁の凹みが残っている
②手術が不十分
③手術で改善が難しい青クマ、赤クマ、茶クマが残っている
の3つが考えられます。
①の場合、眼窩縁の凹みを治せる手術はハムラ法だけなので、もし経結膜脱脂術を選択された場合は眼窩縁の凹みに対して、ヒアルロン酸または脂肪注入をする必要があります。そのため、当院では経結膜脱脂術に標準でヒアルロン酸注射が付属しています。また、手術時にヒアルロン酸を注入していたり、ハムラ法を行っていても、眼窩縁の凹みが強かったり広範囲に及ぶ場合はさらに追加の注入が必要な場合もあります。
②手術が不十分な場合、修正手術を行うことでクマの改善が期待できます。
③手術で改善効果が最も高いのは、黒クマです。黒クマ以外のクマが混在している場合、クマ取り注射(青クマ、赤クマ・青クマ)を打つことで改善可能です。
目の下の膨らみが無く、ティアトラフの凹みだけがある方
目の下に脂肪の膨らみがなく、凹みだけがある場合、クマ取り手術の適応はありません。ティアトラフ(眼窩縁の凹み)を埋めることで、影クマの改善が可能です。注入するものとしては、ヒアルロン酸注射または、脂肪注入が有効です。
目の下の膨らみや、ティアトラフの凹みが無く、色みが気になる方
目の下の膨らみや凹みが無い場合、手術やヒアルロン酸注射の適応はありません。赤クマや青クマに対してECM注射を行うことで、色みの改善が可能です。
クマ取り注射のメリット

手術治療に比べてダウンタイムが短い
一般的なクマ取り手術は、粘膜または皮膚を切開し、剥離、脂肪の切除・再配置などの手技が伴います。その過程で、腫れや内出血などが生じる可能性があり、また手術をしたことに伴う炎症もあるため、術後1~2週間程度のダウンタイムがあります。
一方で、クマ取り注射は皮下組織または皮膚表面に注射をするだけで完結するため、手術治療と比較して腫れや内出血のリスクが低い傾向にあります。従って、術後のダウンタイムも短く、数日でほとんど腫れが引いてしまうので、ダウンタイムの確保が難しい方に特におすすめです。
注射なので手軽に施術が受けられる
クマ取り注射はその名の通り、注射によってクマを改善する施術です。5分ほどで完了する簡単な施術であり料金も比較的安価なことから、手術治療に抵抗があったり、ご予算が限られている方でも手軽に受けることができます。
副作用やリスクが少ない
クマ取り注射の主成分は、ヒアルロン酸やアミノ酸などです。安全性の高い製剤であり、軽い腫れや内出血以外に副作用や大きなリスクを伴う施術でありません。
クマ取り注射の種類
クマ取り注射(黒クマ):ニューラミスライト

黒クマの原因は、眼窩脂肪の前方突出とその下の眼窩縁の凹みによって形成される影です。眼窩縁の凹みに対して、ヒアルロン酸を注入することで凹みが埋めます。その結果、影クマが改善します。
ヒアルロン酸は半年から1年で吸収されるのが一般的であり、状態を維持したい場合は定期的なメンテナンスが必要です。
クマ取り注射(青クマ):リジュランi(サーモン注射)

リジュランiは、サーモン由来の「Polynucleotide Sodium PN(ポリヌクレオチド PN)」を主成分としており、血管新生やコラーゲン生成を促す効果が特徴的です。青クマは血行不良も原因とされており、リジュランによる毛細血管の再生作用で血行を促進することで青クマを改善します。また、コラーゲン生成によって皮膚の厚みを持たせることができるので、血管が透けにくくなり結果的に青クマの改善が期待できます。
1回だけの治療でも効果を感じられることもありますが、より高い効果を感じたい場合は、複数回治療を受けるのがおすすめです。
クマ取り注射(赤クマ・青クマ):スネコス

赤クマや青クマの原因は、皮膚の下にある眼輪筋と呼ばれる筋肉や毛細血管が透けて見えることです。スネコスは、真皮層を厚くする効果があり、皮下にある筋肉や毛細血管を透けにくくする効果が期待できます。
リジュランと同様、1回だけの治療でも効果を感じられることもありますが、より高い効果を感じたい場合は、複数回治療を受けるのがおすすめです。
クマ取り注射のリスク・副作用・ダウンタイム
クマ取り注射はリスクや副作用の少ない施術ですが、考えられるリスク・副作用は次のとおりです。
腫れ・内出血・むくみなどの一時的な副作用
注射に際して内出血や腫れができるだけ出ないように配慮はしておりますが、その確率をゼロにすることは医学的に不可能です。注射という施術の特性上、内出血が出てしまう可能性はあります。
また、ニューラミスやスネコスはヒアルロン酸を含む製剤のため、ヒアルロン酸の吸水作用によって一時的にむくみが生じる場合があります。リジュラン、スネコスは真皮に注射するため、小丘疹(しょうきゅうしん、直径5 mm以下の皮膚の盛り上がり)がたくさん形成されます。
これらは一時的な変化であり、短期間で消失します。
痛み・違和感
注射したことによって、皮膚が膨張してツッパリ感や違和感を感じる場合があります。また、術後数日は注射部位を触ると軽い鈍痛を感じる可能性があります。このような症状は数日で消失します。
感染、炎症、アレルギー
皮膚表面には常在菌が存在し、消毒してもこれらを完全に排除することは医学的に不可能です。仮に注射部位からこれらの細菌が体内に侵入しても、生体の免疫機構によって排除されますので、感染は成立しません。しかし、注射時に侵入した細菌が潜伏し、体調を崩した際などに免疫力が下がって、注射部位に腫れや痛みが生じる場合が稀にあります。また、注射した部位に遅発性の炎症が起き、シコリを形成することが稀にあります。これらの場合、抗生剤の投与、ヒアルロン酸溶解注射などで改善します。
また、注射した製剤に対するアレルギー反応を起こす可能性が考えられます。そのような場合は、抗アレルギー薬の投与で対応致します。
当院のクマ取り注射の特徴
丁寧なカウンセリングにより最適な施術方法を提案
当院のクマ取り注射は事前の丁寧なカウンセリングが特徴です。まず目元の状態を詳しく診察し、ご希望や不安をじっくりお聞きします。その上で患者様一人ひとりのご状態に合わせた最適な施術方法をご提案いたします。
実績・経験豊富な医師が施術を担当
当院では、クマ取り手術、クマ取り注射の実績が豊富な医師が施術を担当しますのでご安心ください。
不必要な治療を勧めたり、必要以上の量を契約させたりしない
当院では、クマ取り注射を希望してきた患者様に、希望していない脂肪注入や糸リフトなどを勧めたりすることはありません。あくまでも、患者様の意向とご状態に沿ったカウンセリングをすることをお約束いたします。
また、ヒアルロン酸製剤やECM製剤は、売り上げのために必要以上の量を契約させるクリニックが散見されます。当院では、患者様のご状態に合わせてた適正な量の提案を行います。
当院のクマ取り注射の流れ

STEP.1カウンセリング
目の下のクマのお悩みを詳しくお伺いするとともに、下まぶたの状態を診察し、患者様一人ひとりに合った施術方法をご提案します。施術の効果やリスク・副作用についても丁寧にお伝えします。施術に対する不安や疑問があれば遠慮なくお尋ねください。

STEP.2麻酔
痛みを軽減するため、ご希望により笑気麻酔の吸入やペンレス麻酔を行うことができます。

STEP.3注射
目の下にクマ取り注射を行います。処置自体は数分で完了します。
目の下のクマ取りに関するよくある質問

- クマ取り注射の効果は半永久ですか?
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半永久ではありません。リジュランやスネコスは数週間ごとに定期的に注射し続けることで効果を実感しやすくなります。
- クマ取り注射でクマは消えますか?
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クマ取り注射は色見を改善するのが主な効果です。クマの主体が目の下のふくらみの下の影であれば、注射でクマを消すことはできません。クマ取り手術をご検討ください。
- クマはマッサージで改善しますか?
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クマがマッサージで改善することはありません。
- クマ取り注射のダウンタイムはどのくらいですか?
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スネコス、リジュランは皮膚表面に注射します。小さい膨らみが無数にできますが、2~3日で平らになります。従って、内出血が出なければダウンタイムは数日で終わります。内出血が出た場合は、程度に応じで週単位で消失まで要する場合があります。
ニューラミスはヒアルロン酸製剤であり、ほとんどダウンタイムはありませんが、内出血が出たり、吸水作用によって膨らんだ場合は週単位でかかる場合があります。
- クマ取り注射(スネコス、リジュラン)はどのくらい持続しますか?
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スネコス、リジュランは注射後1週間くらいは肌のハリを感じやすいです。これは、製剤を注射したことによるむくみであり、クマ取り注射の効果ではありません。この期間を過ぎると、むくみが無くなるので、患者様的には元に戻ってしまったと感じることでしょう。しかし、製剤の効果は1ヶ月以降にコラーゲンやエラスチンが生成されることにより発揮されるのです。
正直なところ、1回注射して1か月後にコラーゲンなどが生成されたことによる効果を患者様が感じるかというと、難しいかもしれません。何回も注射を継続することで効果を実感しやすくなるとお考え下さい。
- 寝不足で青クマが出ています。クマ取り注射は保険が効きますか?
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クマ取り注射は保険適応外の治療となります。
- できるだけ内出血したくないです。スネコス、リジュランをマイクロカニューレなどの鈍針で打ってもらうことはできますか?
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打つこと自体は可能ですが、ECM製剤は真皮に注射することで効果を発揮する注射です。マイクロカニューレを使用すると真皮に注射することができないので、注射の意味が無くなります。
- 影クマと赤クマが気になります。クマ取り手術と同時に、スネコスを打つことはできますか?
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もちろん可能です。
- クマ取り注射をしたら、クマだけでなく肌にハリが出ました。なぜでしょうか?
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コラーゲンやエラスチンを生成する作用があるので、ハリが出る効果もあると言われています。
- クマ取り注射のモニターは募集していますか?
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動画撮影モニターを募集しております。
- クマ取り注射が怖いです。麻酔はできますか?
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吸入麻酔やペンレス麻酔をオプションで付けることは可能です。