「クマ取り手術のカウンセリングなんて、どこに行っても同じでしょ?それならできるだけ安いクリニックが良いに決まっているよね」
「『こんなクリニックに気をつけろ』とはどういうこと?クリニックに気をつけることなんてあるの?」
と思う方もいると思います。もし、コラムのタイトルを見てそう思った方がいたとしたら、それは情報弱者であり、美容クリニックの良いカモにされてしまうので、カウンセリングを受ける前に是非このコラムを最後まで熟読することをお勧めします。
今回のコラムでは、どのようなクリニックには気をつけて、どのようにクリニックやドクターを選んだら良いかのポイントをお伝えします。
クマ取り手術で避けるべきクリニックとは
①全員に脂肪注入を勧めるクリニック
「クマ取り」を希望して来院した患者様全員に脂肪注入をお勧めするクリニックが実在します。ある患者様が某クリニックを受診したところ、「クマ取り手術と同時に目の下のへこんだ部位に脂肪注入をした方が良いですよ」と言われたそうです。また、「目元だけに脂肪注入をするのはもったいないので、せっかくならお顔の別の部位や胸にも入れましょう。同時に複数の施術を契約するとセット割でお得になります」と付け加えられました。見積もりを見ると、クマ取り手術の代金に追加して、全身の脂肪吸引料、脂肪注入料、脂肪豊胸料が加算され、トータル200万円だったとのこと。
もちろん、クマ取り手術だけではなく脂肪吸引もしたいし、脂肪豊胸も考えているという患者様にとっては、ある意味200万円という金額はお得なのかもしれません。しかし、脂肪注入までしなければいけない状態なのかは人によって違いますし、もちろん脂肪注入まではしたくないという場合もあるでしょう。様々な患者様の状態やニーズがある中で、全員に脂肪注入をお勧めするのは違うのではないかというのが当院の見解です。
なぜ、このようなことを知っているかというと、実際にそのクリニックに行った患者様の多くからそのような話を聞いているからです。「某クリニックを受診したら、脂肪注入しないとクマは良くならないと言われた。脂肪注入はしたくないし、脂肪注入しないと良くならないと言われたことを不審に思って安本先生のところに来ました」という患者様がたくさん来院されて、結果、脂肪注入をしなくてもクマをキレイに消すことができて多くの患者様にご満足いただけたという経験があります。
また、私は以前TCBに在籍していたのですが、TCBにその某クリニックから転職してきた先生がいたので実際のところどうなのかと聞いてみたところ、「わざとクマ取り手術で脂肪を多く取り過ぎます。目の下をベコっとへこませてから、それを治すために脂肪注入します」とのことでした。なぜそのようなことをするのかさらに質問してみると「その方が儲かるから」という返答でした。
これでは患者様のためにならないと思い、そのことを暴露する動画をYouTubeで公開したところ、バズりまして「先生の言っていた通り、某クリニックで脂肪注入しないとクマは治らないと言われた」という患者様がクマ取り手術を受けにTCBにたくさん来るという結果になりました。

そもそも、脂肪注入した方が良い人と、しなくても良い人がいます。脂肪注入をした方が良い人は影クマがあって、へこみがある人です。つまり、上が膨らんで、下がへこんでいる人です。へこんでいる人はそこに何かを注入するか、ハムラ法で脂肪を移動させるかのどちらかが適応になります。もちろん、注入するものは脂肪ではなくヒアルロン酸でも良いです。脂肪注入ではなく、ヒアルロン酸注入で十分ですという患者様もいるので、患者様が選択されればよいと思います。そういう意味でも、クマ取りに来た患者様全員に脂肪注入を勧めるのはいかがなものでしょうか。
TCB時代に上記のような動画をYouTubeで配信しました。その後、何が起きたかというと、某クリニックは全員に脂肪注入を勧めることをやめました。そして、全員に裏ハムラ法を勧めるようになったのです。

②全員に糸リフトを勧めるクリニック
「クマ取り」を希望して来院した患者様全員に糸リフトをお勧めするクリニックが実在します。面白いですよね。①は全員に脂肪注入を勧めるクリニックの話、②は全員に糸リフトを勧めるクリニックの話です。
脂肪注入であれば、クマ取り治療の一環なのでまだ理解できるでしょうが、糸リフトはどういうロジックで患者様に勧めているのでしょうか。クマが気になる方はもちろん若い方もいますが、多くは30代以降の患者様です。そのくらいの年齢になると何らかのたるみが出てくる年齢でもあります。そいう方に糸を入れれば目元にハリを出すことができますし、ほうれい線やフェイスラインなども引き上がりますよね。なので、「目元だけではなくトータルでキレイになりますよ、だから糸リフトをした方が良いですよ。」という勧誘をするわけです。
それが一概に悪いことかというと、患者様はキレイになりたくて美容外科に来ているわけだから、たるみも気になっている方に糸リフトをお勧めして結果的に患者様が満足するのであれば良いのかもしません。しかし、若い人には「小顔になります」、ニキビがある人には「ニキビが治ります」、肌が荒れている人には「肌がきれいになります」というような具合に、クマ取りを受けに来た全ての人に糸リフトをお勧めするのはやはり違いますよね。そのクリニックがなぜ全員に糸リフトを勧めるのかというと、「患者様が満足するから」ではなく、糸リフトも一緒にやってもらった方が「儲かるから」なんですね。売上を上げるためにお勧めしているわけですね、実態は。なぜこのようなことを知っているかというと、やはり実際にその美容外科で勤務しているドクターと話したことがあるからです。
③全員に経結膜脱脂術を勧めるクリニック

「クマ取り」を希望して来院した患者様全員に経結膜脱脂術をお勧めするクリニックが実在します。経結膜脱脂術とは、クマの原因となっている眼窩脂肪のふくらみを粘膜側からアプローチして除去する方法で、手術時間もダウンタイムも短い簡単な手術のため、ほとんど全てのクリニック、ドクターが行っている施術で患者様の人気も高いです。技術的にも比較的簡単なため、未熟なドクターでも数ヶ月で習得可能です。
全国展開をしているような美容外科では、どうしても技術レベルの低いドクターの割合が多くなってしまうので、「クマ取りマシーン(=自称:クマ取り専門医、クマ取り王子、クマ取り名人など)」を作って、朝から晩までひたすら経結膜脱脂術をやらせているのです。なぜなら、経結膜脱脂術だけやらせた方がリスクが低く効率よく儲かるからです。1年もすると、クマ取りマシーンは「開業した方が儲かるんじゃね?」という軽いノリで独立開業します。というわけで、技術が未熟なドクターの割合が多いクリニックやそこから独立したドクターのクリニックでは、「クマ取り手術」=「経結膜脱脂術」となっており、「クマ取り」を希望して来院した全ての患者様に経結膜脱脂術を勧めることになるわけです。なぜなら、技術的にそれしかできないし、それだけやってた方が効率よく儲かるからですね。
経結膜脱脂術は「切らないクマ取り手術」などの名称になっている場合もありますが、そのようなクリニックの見分け方として、そもそもホームページに経結膜脱脂術しかクマ取りのメニューに無かったり、カウンセリングに行っても経結膜脱脂術をやたら推してくるので見分けることができます。
経結膜脱脂術自体は、クマで悩まれている多くの患者様に適応があり満足度も高いため悪い術式ではありません。実際、裏ハムラ法と経結膜脱脂術とに仕上がりの違いがあるかというと、多くの場合は見た目の違いはほとんどないと言えるでしょう。しかし、経結膜脱脂術にも限界があるので、他の術式の方がクマを改善できる、患者様をキレイにできる、満足度が高い場合もあるのです。例えば、たるみが強い場合には余った皮膚を切除した方が良いですし、笑った時のふくらみが気になる場合はハムラ法の方が仕上がりが良いわけです。そもそも、患者様が経結膜脱脂術をやりたくない場合もあるでしょう。
クマ取り手術、クリニック・ドクターの選び方
状態とニーズに合わせて適切な術式を提案してくれる
大事なことは、患者様のクマの状態やニーズに応じて、術式を使い分けたり複数の選択肢を患者様に提案できるクリニックやドクターを選ぶということです。気をつけるべき・避けるべきクリニックとして、全員に脂肪注入を勧めるクリニック、全員に裏ハムラ法を勧めるクリニック、全員に糸リフトを勧めるクリニック、全員に経結膜脱脂術を勧めるクリニックを挙げました。冒頭で、「クマ取り手術のカウンセリングなんて、どこに行っても同じでしょ?」と思っている人は情弱ですよと言いましたが、ここまで読んだ皆さんにはその意図がご理解いただけたことと思います。
当院では、経結膜脱脂術のみならず、裏ハムラ法、表ハムラ法、脂肪注入など、患者様のご状態やニーズに応じて最適なクマ取り手術をご提案しておりますので、お気軽にご相談下さいませ。