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Columnコラム

2026.01.20
二重整形      手術動画解説

【手術動画解説】二重埋没法(表留め・線留め)/匠式切らない二重埋没法ロング

今回のコラムは、当院の二重埋没法の代表術式である匠式切らない二重埋没法ロング(表留め・線留め)の手術解説です。二重埋没法の詳細な解説はもちろん、私がどのような点にこだわって、また注意しながら手術しているかを記載しました。

手術中の動作やその順序には1つ1つに意味があります。動画ではお伝えしきれなかった部分をコラムで可能な限り詳細に解説しました。動画とコラムを同時に見ると、無駄がなく不必要な動きが一切ないことがわかると思います。また、定型的な手術は最初から最後までいつも同じ手順で行うことが、一定のクオリティでスムーズに手術を行うコツです。

これから埋没法を受けたいという患者様や、埋没法手術を習得中の美容外科医に向けた内容となっていますので、是非参考にしてください。二重手術の教科書より詳しく、より実践的な内容になっています。

【閲覧注意】二重埋没法(線留め)の手術動画

目次

事前準備
希望のデザインの確認
シミュレーションとマーキング
手術
麻酔
運針
幅の調整と結紮
糸の切断と糸玉の埋没
仕上がりの確認
症例写真・料金・リスク
症例写真
料金
リスク

事前準備

希望のデザインの確認

二重整形手術で最も大事なことは、患者様の希望の二重を実現することです。そのために、私のカウンセリングは患者様のご要望をお聞きすることから始まります。当たり前に思うかもしれませんが、実はこれを行わない美容外科医は多く、「このデザインじゃないとできない」「切開しないと平行型はできない」などと、実際は患者様の希望のデザインでもできるのに、クリニック側の都合でデザインを決められてしまうことも少なくありません。

当院では、できるだけ患者様の理想の二重を実現できるように努力することをお約束します。もちろん、ときどき広すぎる不自然な二重を希望される方もいますので、美容外科医として的確なアドバイスも致しますのでご安心ください。

シミュレーションとマーキング

シミュレーションとマーキングは、手術以上に大切な工程です。なぜなら、これらがいい加減だと患者様の希望の二重を実現することができないからです。私が、どのようなことに注意しながらシミュレーションやマーキングを行っているのか解説します。

シミュレーション

二重のシミュレーション

シミュレーションは、2本の重瞼棒(じゅうけんぼう、下図)をまぶたに当てて行います。重瞼棒はできるだけ皮膚に対して垂直に当てるのがコツです。この時、患者様には鏡を持ってもらいながら仕上がりのイメージを確認してもらいます。

重瞼棒

患者様側の注意点として、①鏡を30 cm以上離して真正面から見ること、②目が悪くて見えない場合は必ずコンタクトレンズを着用すること、③顎を引き過ぎて上目遣いになったり鏡が下がって下目遣いにならないようすることですが挙げられます。

これは、鏡を見る角度、目線の向きで二重の幅が変わってしまうためであり、正確なシミュレーションをする上でとても重要なことです。もし、コンタクトを持ってきていなくて鏡をかなり近づけないと見えなかったりすると、正確なシミュレーションができないのでデザインは完全にドクターにお任せになってしまいます。そうならないために、事前に必ずコンタクトレンズを用意しましょう。

マーキング

二重埋没法のマーキング

マーキングは、細い油性ペンを使用します。水性ペンは消毒薬、麻酔や手袋に付着した水分でにじみやすく、精密なマーキングには不向きであり、また術後にキレイに消しにくいという欠点があります。油性ペンは、にじまないので精密なマーキングに適しており、術後はキレイに消すことができます。油性ペンの欠点は、消毒や手術中に水分で消えやすいというところですが、薄くなったらすぐにマーキングし直せるように、滅菌した油性マーカーも準備しておきます。

重瞼棒を当てた二重ラインを患者様と確認し、OKであればその場所に重瞼棒を食い込ませ、皮膚に圧痕をつけます。その圧痕にピンポイントで点をマーキングします。

患者様は真正面から鏡を見てシミュレーションをしているので、医師は若干斜めの角度から見ているために、この時点では不正確なマーキングになっている可能性があります。最終的には、鏡が無い状態でもう一度重瞼棒を当ててみて、医師が真正面から確認して左右差の修正などの微調整を行います。

二重埋没法のマーキングのイラスト

今回の手術は、図のように皮膚側に6か所糸を通す線留めなので、マーキングも点が6つになります(動画では、微調整しているので6つ以上の点が書かれている)。特に1番目頭側の点が末広・ミックス・平行型のデザインを決め、1番目尻側の点が幅を決めるのでこの2つが最も重要な点となります。この2つの間は二重ラインが真ん中だけ狭くならないように自然なアーチを描くように配置していきます。

マーキングでの注意点としては、糸を通す点を明確にすること、細いマーカーで精密な点を書くことです。太いマーカーでいい加減なマーキングをしたり、無数の点線を書いたり、せっかく書いたマーキングを手術を始める前に定規で測って変更してしまう美容外科医もいます。その様なことをしてしまうと、せっかく患者様とシミュレーションして決めた二重ラインを再現できなくなってしまいます。

前述の通り、シミュレーションとマーキングは二重手術で最も大切な工程であり、精密なマーキングに忠実に運針することで、患者様の希望の二重を再現することができるのです。

手術

麻酔

皮膚側の麻酔

二重埋没法の皮膚側の麻酔
麻酔針の深さによる内出血のリスクの違い

まず、皮膚側に局所麻酔の注射をします。笑気麻酔を吸入してもらいながらリラックスした状態で注射しています。当院は、全ての外科手術に笑気麻酔が標準で付いておりますので、希望者は笑気麻酔を使うことができます。

示指と中指で皮膚を伸展させることで、皮膚の直下にある毛細血管が透けて見えますから、毛細血管に刺さないように注意します。また、上図の様に針を深く刺してしまうと見えない毛細血管を刺してしまう確率が上がります。できるだけ内出血させないために、可能な限り注射針を浅く刺すことが重要です。針の斜めにカットされている先端のみを刺入するイメージです。

注射針の種類

当院の二重埋没法の局所麻酔で用いる注射針は35G(ゲージ、上の写真の1番左)針という非常に細い針を使用しておりますので、刺した時の痛みが少なく、麻酔によって内出血が出る可能性も低いです。それでも、刺す回数が多ければそれだけ痛みを感じたり、内出血のリスクが上がってしまいます。「匠式二重埋没法ロング」は皮膚側に6か所糸を通すのですが、6か所麻酔をするわけでは無く、通す点と点の間に麻酔をすることで片側3か所麻酔するだけにとどめています。それもで十分に麻酔は効きますし、患者様の痛みや内出血のリスクを低減することができます。皮膚側の麻酔は両側で6か所、合計0.1ccを目安に注入しています。

マーキングが消えないように麻酔の水滴をガーゼで吸い取る

片側の麻酔が終わるごとに、皮膚に付着した麻酔の水滴をガーゼに吸収させます。これは、水滴が残っているとせっかく精密に書いたマーキングが消えてしまうためです。

粘膜側の麻酔

予め粘膜側にはベノキシール®0.4%点眼液によって表面麻酔を施しておき、注射の際の疼痛緩和を図ります。注射に用いる局所麻酔剤は1%キシロカイン®(エピレナミン含有)です。

瞼のひっくり返し方

粘膜側の麻酔をする際は、まず上眼瞼(じょうがんけん、上まぶたのこと)を左手で尾側(びそく、足側という意味)にスライドし、下眼瞼(かがんけん、下まぶたのこと)の上に乗せます。少し上眼瞼が浮いた状態になるので、右手薬指をその隙間に挿入し、上眼瞼を翻転(まぶたをひっくり返す)させます。

二重埋没法における粘膜側の麻酔

上眼瞼を翻転させたら、左手示指と母指でさらに瞼板を立たせて、挙筋側の粘膜を露出します。皮膚側と同様、結膜表面の毛細血管を刺さないように注意しながら、できるだけ浅く刺入することで内出血のリスクを低減します。

粘膜側は片側2か所ずつ、計4か所注入します。1か所麻酔液を注入すると、粘膜が膨潤(ぼうじゅん)してくるので、注入された範囲がわかります。2か所目の麻酔は粘膜が膨らんだところに刺入すると、既にその部位は麻酔が効いているので、穿刺の痛みを最小限にすることができます。

皮膚側、粘膜側で合計約0.7cc注入します。最初に1.0ccの麻酔液を用意しているので、この段階で約0.3ccの麻酔液が残存しています。通常、二重埋没法は麻酔が効いていれば手術中に痛みが出ることはほとんどありませんが、万一手術中に痛みの訴えがあった場合、痛みを感じた部位に残存した麻酔液を注入します。

麻酔が完了した段階で、①手術中に痛みを感じたら遠慮なく申し出ること、②その場合は麻酔を追加できること、この2点を伝えます。

運針

通常、麻酔の次の工程は、皮膚をメスで切開する工程です。糸を通すところを切開しないと手術が難しいからです。当院では針穴を利用して糸を通すので、文字通り「切らない」二重埋没法という名称となっています。皮膚を切らないメリットとして、内出血しにくい、術後のキズが目立たない、真皮が切れないので持続力があるということが挙げられます。

関連コラム:匠式切らない二重埋没法とは?~皮膚を「切開する埋没法」と「切開しない埋没法」

二重埋没法の運針のポイント

麻酔が効いたら、上眼瞼を翻転し粘膜側から運針していきます。当院では、7-0 ASFLEX⁺(アスフレックスプラス)という、長期間劣化しにくい縫合糸を使用しています。

運針の際は、結膜表面から透見される毛細血管を刺さないように注意します。刺入部を決めたら粘膜が少し陥凹するくらいの強さで優しく針先を当てます。この時点では、まだ針は刺入しません(上の写真の左側)。針先が粘膜に当たった瞬間、上眼瞼を翻転させていた左手母指を離します。すると、上眼瞼が元の位置に戻ります。その瞬間に持針器を引き上げげると同時に、左手の示指、中指で刺出部を挟むように押さえます(上の写真の右側)。この時、初めて針は粘膜に刺入されます。左手の示指と中指で皮膚を押さえ、針先の位置をコントロールしながら徐々に刺出点まで針先を進めます。

二重埋没法の運針

針先がマーキングの位置に来たら一気に皮膚側に刺出します(①の矢印の運針、上図のa点が刺出点)。この時、患者様に声をかけて痛みが無いか確認します。持針器を一旦外してから、針先側を再度持針器で把持(はじ)して、針の湾曲を意識しながら針を引き抜きます。この際に、途中で躊躇して運針を止めてしまうと、針のお尻側で眼球を傷つけてしまうリスクがあるので、一気に引き抜くのがポイントです。

痛みの有無を確認して、「痛みがある」と言われることはまずありませんが、もし痛みの訴えがあった場合は麻酔を追加します。なお、麻酔の追加は上の写真の状態の針を皮膚側に引き抜いてから行います。決して粘膜側に戻してはいけません。戻すともう1度同じ部位に針を刺すことになり出血のリスクが上がることと、針先で眼球を傷つける可能性があるためです。

二重埋没法の運針

a点より皮膚側に針を刺出したら、再度a点より針を刺入し、c点に向かって横に運針します(②の矢印の運針)。当院では皮膚を切開せずに運針しますので、同じ針穴に再度刺入することはとても難しいことです。ポイントしては、左手で皮膚を少し引っ張り糸が皮膚から出ている穴を見やすくして、そこにピンポイントで針先を入れるイメージです。

皮膚側からの運針

c点から針を刺出したら、今度はc点から粘膜に向かって運針します(③の矢印の運針)。この時、やみくもに針を進めると眼球を刺してしまいますから、そうならないように工夫します。まず、リング鑷子(せっし)を上眼瞼に挿入して眼球との間に隙間を作ります(上の写真)。そして、c点より再度針先だけを挿入しますが、まだ針は進めません。

皮膚側から粘膜側への運針のポイント

次の工程がおそらく、この手術のポイントかつ最も難しいところなので、詳しく解説します。上眼瞼を挟む形で挿入したリング鑷子を使って、そのまま上眼瞼を翻転させます。この時、動画を見ればリング鑷子が眼球に触れることが無いことがわかると思いますが、奥に挿入し過ぎてしまうと鑷子が眼球に触れて、眼球の表面を削ってしまうことになりますので注意します。

上眼瞼を翻転させたら、持針器を持っている右手の示指で瞼板を押さえます(上の写真の【1】)。もし、押さえないと、次の工程で瞼板が勝手に戻ってしまいます。その後、リング鑷子を一旦上眼瞼から離してから、再度瞼板を挟んで挙筋側の粘膜が見えるように瞼板をめくり上げます(上の写真の【2】)。完全に挙筋側の粘膜が露出した状態で針を進め、刺出位置を決めたら一気に粘膜側に刺出します。刺出位置は挙筋瞼板の移行部です。眼球に刺してしまわないか心配だと思いますが、針の湾曲によってむしろ針先は瞼板側に向いているので、瞼板に刺出されないようにリング鑷子でめくり上げることで、瞼板に刺さらないように視野展開しているのです。針が充分に粘膜から刺出されたら、針先付近をリング鑷子で把持し(上の写真の【3】)、針を抜きつつ持針器で持ち替えて引き抜きます(上の写真の【4】)。

二重埋没法の運針

粘膜側の糸が出ているところから目尻側に約2ミリ横に刺入点を決め、①の運針と同様の手順でd点から刺出します(④の矢印の運針)。注意点は、皮膚側の様に全く同じ針穴に再度刺入するのでは無く、粘膜側は敢えて少し間をあけるということです。同じ針穴を通してしまうと、糸が沈み込んで二重のラインが取れ易くなってしまうことが懸念されるためです。

2ミリ間隔を開けているのであれば、「粘膜側に2ミリ糸が露出しているのでは?」と思われるかもしれませんが、実は「ほぼ」糸は露出していません。なぜなら、糸を結ぶ過程で結膜が多少食いむため、2ミリどころか、よく見ても糸が全く視認できないレベルになります。また、結膜の凹みの一番奥に糸は存在するため、糸が眼球と干渉することも、もちろんありません。それでも、結膜の表面に糸があるわけだから「厳密には糸が露出している状態なのでは?」と思いますよね。厳密には手術直後、わずかに糸が露出しているのは確かですが、実は数日で粘膜下に糸が吸収されて完全に露出していない状態になるのです。粘膜は柔らかい組織なので、糸を取り込んでしまうということです。不思議ですよね。

二重埋没法の運針

d点から糸を刺出したら、再度d点から針を刺入し、②の運針と同様にf点に刺出します(⑤の矢印の運針)。当院では、両端針という糸の両端に針がついているタイプの縫合糸を使用しています。持針器で針を把持し糸を引っ張ると針が外れますので、持針器ごと助手に渡して反対側の針に付け替えてもらいます。その間に、糸の長さを調整します。a点の真裏くらいに糸の中心(糸の折れ目)があると、最後に糸を結紮(けっさつ、糸を結ぶこと)する際に糸の長さが概ね揃います。

埋没法の運針

助手に反対側の針を付けた持針器を渡してもらったら、上眼瞼を翻転させ④の運針と同様の要領で粘膜側からb点に運針し刺出します(⑥の矢印の運針)。

二重埋没法の運針

b点から刺出したら再度b点にから刺入して横に縫い、e点から刺出します(⑦の矢印の運針)。この運針がこの手術で最も横に長く通す運針になりますので、針を刺出する際に針の湾曲を意識しないで引き抜くと組織を損傷してしまうので注意します。

二重埋没法の運針

e点から刺出したら再度e点から針先を刺入して、③の運針の要領で粘膜側に刺出します(⑧の矢印の運針)。この時、あまりにも目尻に近いところに刺出してしまうとそこからさらに2ミリ目尻側に間隔を開けて粘膜に刺入することが困難になるため、次の運針のことも考えながら粘膜側の刺出点を決めます。

二重埋没法の運針

最後に、粘膜側から④の運針と同様にf点に刺出します(⑨の矢印の運針)。④の運針との違いは、既にf点には糸が通っているため、全く同じ針穴に通す必要があるということです。

運針の途中で出血したら?

二重埋没法手術中の出血時の対応として圧迫が重要

皮膚や粘膜から透けて見える血管を注意深く避けたとしても、運針時に出血してしまうことは時々あります。その場合は、上の写真の様にガーゼと指で圧迫し続けることで多くの場合、止血します。出血を放っておくと、強い腫れや内出血の原因となるので速やかに圧迫します。

幅の調整と結紮

二重埋没法の糸の調整と結紮

運針が終わると、f点から2本の糸が出ている状態となります。この時点では、単にジグザグに糸を通しただけの状態なので、粘膜側から大きく糸が出ていたり、皮下で糸がたわんでいる可能性があります。そこで、右手で糸に軽くテンションをかけ、左手で上眼瞼の皮膚をつまみながら糸のたわみを取って、全体が均一なテンションとなるようにします(上の写真の【1】)。

右手に持った糸を一旦緩め、開瞼(かいけん、上眼瞼を開くこと)してもらって、重瞼線(じゅうけんせん、二重の線のこと)を確認します。基本的に糸を強く引っ張ると二重の幅は広く、くっきりした重瞼線になります。何度か開瞼してもらい、糸のテンションと二重の幅を調整します(上の写真の【2】)。

糸のテンションが決まったら、できるだけそのテンションを変えないように注意しながら、左手片手結びでシングルノット(Single Knot)と呼ばれる結び目を作ります(上の写真の【3】)。糸のテンションを変えずに、シングルノットの「糸の輪」を25G(ゲージ)マイクロカニューレ(先端が丸い針)を使って皮膚まで下ろしてきます(上の写真の【4】)。

シングルノットのコツ

シングルノットの「糸の輪」を糸のテンションを変えずに皮膚まで下ろすには、軸糸とは反対側にマイクロカニューレを沿わせるのがコツです(上図の左)。軸糸に沿わせてしまうと、皮膚に下ろす過程で「糸の輪」がどんどん小さくなり(上図の右)、軸糸を引っ張らないと「糸の輪」を進められなくなってしまいます。そうすると、せっかく調整した糸のテンションが変わってしまうのです。

結び目の位置を決める

皮膚まで「糸の輪」を下ろしたら、何度か開瞼してもらいながら重瞼線を確認して最終的にどの位置に結び目を作るかを調整します。この時、「糸の輪」をマイクロカニューレの太さと同じになるまで小さくしておきます(上の写真)。結び目の位置を決めたら、最後に結び目を皮膚の中に埋没させることも考慮して、マイクロカニューレを少しだけ押し込んで「糸の輪」をさらに少しだけ押し下げます。

一旦マイクロカニューレを抜いて、もう一度開瞼してもらい、重瞼線を最終確認します。この段階で二重の食い込みや幅を微調整したければ、もう一度マイクロカニューレを「糸の輪」に差し込むことで結び目の位置を調整することができます。

二重埋没法の結紮

結び目の位置が問題なければ、「糸の輪」から出ている2本の糸をそれぞれ右手、左手に持って引っ張れば「糸の輪」は完全に小さくなり、結紮(けっさつ、糸を結ぶこと)されます。最後に、もう一度片手結びを行います。

なお、当院では手術中に鏡で患者様に重瞼線の調整や仕上がりをお見せすることはありません。清潔性の観点もありますが、この時点で腫れや麻酔の影響で患者様の希望の重瞼線にはなっておらず、そのような状態で「もっとこうして欲しい」という要望を聞いていしまうと、結果的に患者様の希望のデザインとは違う二重になってしまうからです。重要なことは、手術前に綿密に患者様とデザインの打ち合わせをして、シミュレーション・マーキング通りに手術することなのです。

糸の切断と糸玉の埋没

糸の切断

埋没糸のカット

糸を結紮したら、眼科用剪刃(せんとう、ハサミのこと)を用いて糸を切ります。ハサミを少し開いて、Vの字の股の部分に糸を挟み、そのまま下方にスライドさせて結び目を感じたら糸を切断します(上図)。こうすることで目をつむっていても、常に結び目の直上で糸をカットすることができます(下のイラストの左図)。

埋没糸のカットについて

逆説的になりますが、目視しながら結び目をギリギリを狙って切ろうとすると、安定して結び目の直上で切ることは難しくなります。結び目そのものを切ってしまったり、上のイラストの様に「糸ヒゲ」を作ってしまう原因となります(上のイラストの右図)。

結び目を切ってしまうと、抜糸してもう一度縫い直す必要があります。糸ヒゲができてしまうと、糸のシコリ・露出・感染などのリスクが上がりますので、結び目から余計にはみ出た糸は再度カットする必要があります。

糸玉の埋没

まぶたを引っ張り糸を埋没させる

糸をカットした状態の結び目のことを糸玉(いとだま)と呼びます。糸をカットすると糸玉は自然と皮膚に空いている針穴に吸い寄せられるように入っていきます。これは、結び目の位置を皮膚から少し押し込んだところに設定しているからですね。この段階で、糸玉が皮膚内に入っていなくても、上の写真の様に両手で上眼瞼を揉むようにして少し引っ張ると、糸玉が完全に皮膚内に埋没されます。

この段階だと糸玉がまだ表皮や真皮内に位置している場合もあり、そのままだと露出したりシコリになったりする原因となります。そのため、当院では上の写真の様に、2本の眼科用鑷子(がんかようせっし)を使って粘膜を尾側(びそく)、針穴を頭側(とうそく)に引っ張ることで糸玉を皮下組織に埋没させています。

仕上がりの確認

仕上がりの確認

糸玉の埋没が完了したら、最後に開瞼して二重のラインがしっかり出ているかをチェックします。この時点で明らかにラインが薄かったりすると、埋没の作業で結び目がほどけたり、切れた可能性が示唆されます。その場合、抜糸して再度縫い直しが必要になります。

まぶたの裏側の確認

また、上眼瞼を翻転させて粘膜側もチェックします。まつ毛やまつエクなどが一緒に縫い込まれてしまっていないか、糸が露出してしまっていないか、結膜に適正な凹みがあるかの3つがチェックポイントです。まつ毛などが一緒に縫い込まれたまま放置すると、角膜を損傷するリスクもありますので注意します。また、この時点で糸が明らかに露出していたり結膜に凹みが無い場合は、糸が外れてしまっていることが示唆されますので、やはり抜糸して再度の縫い直しが必要になります。

ここまでが、術者が行うべき仕上がりの確認になります。仕上がりが問題なければ、マーキングや血液などが付着していたら綺麗に除去し手術を終えます。

手術を終えたら、患者様をベッド上に端座位(たんざい、両足を床についてベッドの端に座ってもらうこと)とし、鏡を見せて仕上がりを確認してもらいます。患者様に説明する内容は、腫れがあり完成形より幅が広い状態であること、左右差があれば腫れや麻酔の影響であり徐々に改善することなどを説明します。

症例写真・料金・リスク

症例写真

術前は奥二重で狭い末広型二重でしたが、目頭から立ち上がるミックス型に近い末広型二重に仕上げました。この写真は術後1ヶ月なのでさらに1~2ヶ月経過するとより自然な二重が完成します。

料金

匠式切らない二重埋没法(線留め・永久保証)191,400円
匠式切らない二重埋没法ロング(線留め・永久保証)382,800円

リスク

腫れ、内出血、糸の露出、感染、角膜損傷、薬剤アレルギー、左右差、手術前の状態に戻る、希望の仕上がりと異なるなど

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