皆さん、ピアスを開けた後にホールトラブルを起こした経験はありませんか?
例えば、「毎日ちゃんと消毒しているのに、赤く腫れて膿が出てきた」「毎日、動かして石鹸を泡立ててつけ置きしていたら、出血するようになった」「金属アレルギーになってしまった」などです。

ピアスは、医療機関で開けて適切なファーストピアスをつけることを大前提として、ピアッシング後に誤ったケアをしてしまうと、感染、出血、金属アレルギー、ホールの不完成などのホールトラブルの原因になります。
ネット上には、誤ったケアによって様々なホールトラブルを起こしてしまった相談が溢れている一方、YouTubeやまとめサイト等で、未だに誤った医学知識に基づく様々なピアスのケア法が紹介されているのが実状です。
今回のコラムでは、ホールトラブルの原因になりやすい誤ったアフターケア、NG行動5選と正しいアフターケアについて解説します。誤ったアフターケアを行って、ホールトラブルの原因を自ら作ってしまうことがないよう、最後までじっくり読んで頂ければと思います。
目次
ピアッシング後のNG行動5選
・軟膏やホットソークで処置をすること
・入浴時に泡でつけ置きをすること
・回したり・動かしたりすること
・安定する前に外すこと
・ホールを消毒すること
正しいアフターケアとホールトラブル
・正しいアフターケア
・金属アレルギーを起こすメカニズム
・ホールトラブル時の対応
・トラブル時は仙台駅前美容外科で対応してもらえる?
ピアッシング後のNG行動5選
軟膏やホットソークで処置をすること
ピアッシング後は、特にトラブルが無ければ軟膏などを塗ったりすることは不要です。自己判断で軟膏を塗り続けると、いつまでもホールが安定せずに感染などのトラブルの原因になります。特に、自己判断で塗っている軟膏には、キズの治りを悪くしたり、感染が起こりやすくなる成分が含まれている場合がありますので、軟膏を塗ることはやめましょう。万一ホールトラブルを起こした場合は、施術した医師の診察を受けることをおすすめします。

また、ホットソークに関しても同様で、いかなる場合でもピアスホールにホットソークを行うことは不要であり、感染やホールの不完成の原因になりますのでお控えください。
入浴時に泡でつけ置きをすること
これもよく聞く話で、「特にアフターケアはしていないけど、お風呂に入った時に泡をつけて10分間つけ置きしてから洗い流す」という処置をしている方がいます。そういう方に限って中々ホールが安定しなくて、いつまで経っても黄色い汁が出てくるという話もよく耳にします。

ホールの清潔を保つことは重要ですが、泡でつけ置きまでしてしまうと、キズを刺激してしまい炎症などの原因になりますのでお控えください。シャワーでピアスの周囲を軽く流す程度で十分です。
回したり・動かしたりすること
ピアスが癒着しないように、「毎日ピアスを回しています」という方は多いですよね。また、ピアスを前後に動かして洗浄したり、軟膏を塗り込む方もいますよね。

まず、第1に私が申し上げたいのは、つるつるの金属製のピアスと人体の組織が癒着して取れなくなることは絶対にないということです。今まで1000人くらいにピアスを開けてきましたが、癒着して取れなくなったことは1度もありません。

第2にピアスを回したり、動かすことは、せっかくホールに張ったカサブタを剥がしたり、上皮化した新しい皮膚傷つけてしまう原因になります。例えば、怪我をした時に毎日キズを擦ってカサブタを剥がしたりしたら、キズの治りが悪くなると思いませんか?カサブタを剥がすたびに新しいキズができて、いつまでもジュクジュクして治らないですよね。ピアスホールも同じなのです。
早く安定化させたければ、「回さない」「動かさない」を徹底して、できるだけいじらないということが重要です。
安定する前に外すこと
これもよく聞く話ですが、学校やバイト先が「ピアス禁止」、あるいは「透明ピアスなら可」なので、ピアッシング後にすぐに透明ピアスにしたり、ファーストピアスをつけたり外したりを繰り返している方がいます。
そもそも、透明ピアス自体がファーストピアスの選択として不適切なのですが、ホールが完成する前にピアスを外したり再度挿入する行為は、ホールを傷つけて出血したり、バイ菌が入って感染する原因になりますのでお控えください。

耳たぶであれば、完成まで1ヶ月間、軟骨であれば最低2ヶ月間は外すことなくつけたままにしてください。それができないのであれば、できる時にピアッシングしましょう。
ホールを消毒すること
毎日、ホールを一生懸命消毒したり、ピアスを前後に動かして消毒ジェルを塗り込んでいる人も多いですよね。消毒すると、一時的に皮膚の常在菌の量を減らすことはできますが、すぐに菌が繁殖して元の状態に戻ってしまうので、消毒すること自体あまり意味がありません。

それどころか、消毒薬によって免疫細胞や上皮細胞が障害され皮膚のバリア機能が落ちたり、ホールが上皮化して安定するのを妨げたりしてしまいます。結果として、バイ菌が侵入して感染の原因となったり、ホールがいつまでも完成しないという状態に陥りやすくなります。
ピアスホールに限らず、手術後のキズに消毒しないというのは、現代の外科学でのいわば常識となっておりますので、これを機会に覚えて頂ければと思います。
正しいアフターケアとホールトラブル
正しいアフターケア
さて、「ピアスを開けた後にしない方が良いこと5選」について解説しましたが、「だったらアフターケアはどうしたら良いの?」と皆さん思いませんか?

お気付きの方もいると思いますが、ピアスを開けた後は「何もしないこと」が最も重要なことです。消毒、外す、動かす、回す、何か塗るなどの行為は、感染、出血、金属アレルギー、ホールの不完成の原因になりますので、お控えください。ホールをいじくり回せばいじくり回すほど、ホールの完成が遠ざかり、感染などの合併症を起こしやすくなるとお考えください。ピアスを開けた後は1ヶ月間何もせず完全に放置するというのが、鉄則になります。
金属アレルギーを起こすメカニズム
最後に、ピアッシングで金属アレルギーが起きるメカニズムのお話をします。
まず、金属アレルギーと言っている方の中には相当数、金属アレルギーではない方が含まれています。単に、ホールトラブルを起こしてジュクジュクしている状態を金属アレルギーと表現しているだけの場合が多いからです。その様なホールトラブルではなく、本物の金属アレルギーついてのお話です。
金属アレルギーの方は、元々金属に対してアレルギーが有るわけではなく、ピアスやネックレスなどの金属が汗などの体液で溶けてイオンとなり、それが人体のタンパク質と結合することでアレルゲンと認識されてアレルギー反応が起こります。

ピアスで金属アレルギーが起こる原因は2つで、①セルフピアッシングによるファーストピアスの選択の誤り、②アフターケアの誤りによるホールトラブルです。まず、ファーストピアスはチタン、純金、サージカルステンレスなど化学的に安定でイオン化しにくい金属が良いです。18金など不純物が多いピアスは、金属成分が溶けだして金属アレルギーの原因になります。また、ファーストピアスの選択が正しくても、アフターケアを誤りホールが完成しない状態で不純物の多い金属ピアスに付け替えてしまうと、やはり金属アレルギーのリスクが高くなってしまいます。
金属アレルギーを起こさないためには、ファーストピアスの材質を間違えないことと、ホールが完全に上皮化してからセカンドピアスに付け替えるということが重要なのです。
ホールトラブル時の対応
もちろん、ピアッシング後にNG行動をしていなくても感染などのホールトラブルを100%防ぐことはできません。何かホールに異常を感じたら自己判断で何かするのではなく、施術した医師の診察を受けましょう。
「自分や友人がピアスを開けた場合はどうすればよいのか?」と言われてしまいそうですが、そもそもセルフピアッシング自体がやってはいけないことなのです。ピアッシングは医療行為ですし、トラブル時の対応もできる、医療機関でピアスを開けることをおすすめします。

トラブル時は仙台駅前美容外科で対応してもらえる?
当院ではピアッシング自体は行っておりませんが、耳垂裂閉鎖(ピアスによる切れ耳)・ピアスケロイド切除などのホールトラブルに対する治療を行っております。
ホールトラブルでお悩みの際は当院にご相談くださいませ。

コラム著者

大手美容外科TCB東京中央美容外科で約10年間勤務。仙台駅前院院長、新宿三丁目院(TCB本院)院長・東京都エリア総括院長を歴任。TCBでは技術指導医部門のトップ・二重整形教育最高責任者として、指導的な役割を務めていた。YouTubeなどで美容整形に関する情報発信に積極的で、その内容がテレビ、雑誌、ネットニュースサイトなどに多数取り上げられた。豊富な症例実績を背景に10年間で培った技術を適正価格で提供する手術専門クリニックを2025年、地元仙台に開業した。
症例数:二重手術1万件以上、クマ取り手術5000件以上、糸リフト・切開リフト5000件以上、下肢静脈瘤3000件以上
資格:外科専門医、脈管専門医
学会発表・論文:経結膜的埋没法重瞼術の抜糸法の要点と成績
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