皆さん、「二重埋没法はどこで受けても同じでしょう?だったら、料金が安いところで受けるのが良いじゃん」って思っていませんか?
そもそも、広告やホームページで表示されている料金では手術を受けることはできないという話は以前のYouTube動画でお話しした通りですが、今回は、「同じ埋没法でも糸の通し方によって全然違うし、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、クリニックを選択した方が良いですよ」という話です。もしかして、自分が受けようとしている、あるいは受けた埋没法の術式、知らないなんてことはないですよね?

今回のお話は、クリニック側がなかなか公開したがらない情報なので、どこのクリニックのホームページやYouTube動画を見ても詳しく解説されていないことなので、初めて聞く方も多いかと思います。
二重埋没法で二重のラインができるのは、皮膚側と粘膜側を糸で縫い合わせることで皮膚を食い込ませているからです。この、縫い合わせる方法にどのような種類があるのかというのが、今回のお話です。すごく大事な話なので、埋没法を検討されている方は是非ご一読下さい。
二重埋没法の代表的な5つの術式はこれ
埋没法はドクターの数だけ方法があると言われるほど、バリエーションが豊富な手術です。ただ、その多くが元々のベースとなる術式が存在し、それをマイナーチェンジしているに過ぎません。
今回ご紹介する5つの術式は、埋没法のベースとなっている基本術式です。現在日本で行われている埋没法の全ては、この5つのうちのどれかに該当するか、その亜型や組み合わせなのです。従って、この5つの術式を理解すれば全ての埋没法を網羅したと言えるので、皆さんが受けようとしてる埋没法や過去に受けた術式はこの5つの中に必ずあるはずです。
①トライアングル法

最もシンプル方法がトライアングル法になります。粘膜側は1~2ミリの横幅があり、皮膚側は横縫いをしないので、断面は結び目を頂点とする二等辺三角形になります(上図)。それがトライアングルの名前の由来です。実際には、三角形と言っても粘膜側は1~2ミリの横幅しかないので、三角形というよりほとんど1本の縦線になります(下図)。もちろん、1本では二重は作れないので、2点以上留める必要があります。

トラインアングル法のメリットとしては、簡単で手間もかからないので、習得しやすく技術が未熟なドクターでも何とかできる点です。従って、多くの美容外科で採用されていますし、たくさん二重埋没法のメニューがある美容外科なら、一番安いメニューがこれです。広告で激安で出ているメニューもこれです。
デメリットは、非常に取れやすいということに尽きます。糸で囲われる組織量が多いほど埋没法は取れにくくなるのですが、ほとんど糸で組織が囲われていないし、皮膚側はほとんど固定されていない術式なので、すぐ取れちゃいます。まさにゴミ術式であり、患者様が受けるメリットは値段以外に全くありません。もちろん、当院では行っていません。
②スクエア法

トラインアングル法を改良し、皮膚側に横縫いを追加したのがスクエア法です。皮膚側を少なくとも2~3ミリ横に縫うので、皮膚側の組織の固定力が増し、また糸で囲う組織量も増えるため、トライアングルより取れにくくなります。横から見たときの断面が四角形なので、スクエア法と呼ばれています。
スクエア法のメリットはトラインアングルに比べて、持続やデザイン性の観点で有利ということです。デメリットは、この後出てくる線留めに比べれば、デザイン性や持続力の観点から劣るということです。
また、スクエア法も、1点だと二重のデザインができないので、2点留めが基本になります。トライアングル、スクエアともに点をつないで二重のラインを作成するので、一般的に点留めに分類される埋没法となります。
当院では、持続性やデザイン性を重視しておりますので、そもそも点留めは採用しておりません。また、点留めは、結び目の数が増えるので糸トラブルが起きやすく、糸が短いので万一の場合に抜糸が難しいというデメリットもありますので、現代の美容医療において、敢えて点留めをする必要性は無いと思います。
③クロス法

クロス法は上図のように、スクエア2点留めの糸を中央で絡ませるか、中央で糸を結んで、さらに両サイドで結ぶ術式です。スクエアの糸2本を繋げて連続的に留めているので、線留め埋没法に分類されます。点留めと比較してクロス法は長持ちすると言われており、それがメリットなのですが、一方で独立した2本の糸を絡ませているので糸のたわみが生じやすく、糸玉(結び目)や糸が表面に浮いてきやすいのがデメリットです(下図)。

他院でクロス法を受けた患者様の再手術をする機会が多いのですが、どの患者様もまぶたに糸ボコがとても目立つので(上図)、すぐに何の術式を受けたのかわかってしまいます。そのため、過去にクロス法を受けた方は、抜糸と修正手術を同時に受ける場合が多いですね。
もちろん、当院ではこのような術式は採用しておりません。
④ループ法

ループ法は図のように1本の糸でまぶたを連続的に複雑に縫っていく方法です。クリニックによって、自然癒着法、韓流6点留めと呼ばれている場合もあります。ループ法は連続的にまぶたを留めているので線留めに分類されます。
現状、最も持続性、デザイン性に優れている埋没法と考えられ、当院では「匠式切らない二重埋没法」というメニュー名で採用している主力メニューになります。メリットとして、持続性やデザイン性に優れいていることと、一筆書きの様になっていて結び目も1つであることとから糸トラブルが起きにくいこと、万一抜糸する場合でも簡単に完全な抜糸が可能である点が挙げられます。デメリットとしては何度も皮膚を針が通過するため、術後のキズが目立つことが挙げられます。通常は、縫いやすくするため皮膚を切開しているためです。当院では、「匠式切らない二重埋没法」という皮膚を全く切らない独自技術で手術しているため、術後のキズも目立ちません。切らない埋没法と切る埋没法の違いについては、以前のコラムを参考にしてください。
⑤裏留め法

裏留め埋没法は、図のように裏から糸を通して皮膚に貫通しないように運針して、粘膜側で結ぶ術式です。通常は、図のように2本糸をオーバーラップして連続的に留めるため、線留めに分類されます。
表留めとの違いは、結び目が表にあるか、裏にあるかの違いです。「結び目が裏にあるなんて危ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんので、それについてはYouTube動画で解説しているので参考にしてください。
裏留め埋没法のメリットは、運針の際に針が皮膚を貫通しないため、術後にまぶたの表面に針穴が一切ないということです。当院以外の表留めは皮膚を数ミリ切開するため、術後にキズが目立つというデメリットがあります。術後にキズが一切なく直後からメイクが可能というのは、裏留め最大のメリットとなります。
一方で、デメリットとしては運針の際に皮膚を貫通しないために皮膚側の組織に糸がかかりにくく、結果として表留めと比べて持続性が弱いこと、ミックス型など絶妙なデザイン性を要求される際に不確実性がある点が挙げられます。つまり、裏留めは取れやすく、デザイン性が悪い術式として業界では常識となっています。
従って、まぶたが厚い方やたるみが強い方、ミックス型や平行型がシミュレーションで作りにくい方は適さない術式と言えます。当院では皮膚を一切らない表留め埋没法を行っておりますので、患者様にとって裏留めを選択するメリットがあまりないのですが、針穴ですら嫌という方もいるため、シークレット法という名前で裏留め埋没法のメニューもご用意しております。
まとめ
その術式で本当に大丈夫?
いかがだったでしょうか?同じ埋没法と言っても、縫合の仕方でたくさん種類があることが分かったと思います。あなたが受けようとしている、あるいは受けた埋没法はどの埋没法ですか?もしかして、わからないなんてことは無いですよね?

自分が受けようとしている手術がどんな術式なのか、きちんと説明を受けて納得した上でクリニックを選択されることをお勧めします。あなたが受ける埋没法、本当にそれで大丈夫ですか?
コラム著者

大手美容外科TCB東京中央美容外科で約10年間勤務。仙台駅前院院長、新宿三丁目院(TCB本院)院長・東京都エリア総括院長を歴任。TCBでは技術指導医部門のトップ・二重整形教育最高責任者として、指導的な役割を務めていた。YouTubeなどで美容整形に関する情報発信に積極的で、その内容がテレビ、雑誌、ネットニュースサイトなどに多数取り上げられた。豊富な症例実績を背景に10年間で培った技術を適正価格で提供する手術専門クリニックを2025年、地元仙台に開業した。
症例数:二重手術1万件以上、クマ取り手術5000件以上、糸リフト・切開リフト5000件以上、下肢静脈瘤3000件以上
資格:外科専門医、脈管専門医
学会発表・論文:経結膜的埋没法重瞼術の抜糸法の要点と成績
詳しい経歴・プロフィールなどはドクター紹介をご覧ください。