目の下のクマで悩んでいる方がご来院された場合に、当院ではどのようなカウンセリングを行っているのかを動画を供覧しながら解説します。「カウンセリングに行きたいけど、事前の知識として知っておきたい」「クリニックを比較する中で、当院のカウンセリングがどのように行われてるのかを知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムは、実際のカウンセリング風景の動画に合わせて、動画ではお伝えしきれなかったクマ取り手術のリスクなども含めて解説していきますので、参考にしてください。
目次
カウンセリング
・事前準備
・挨拶と本人確認
・診察
・絵を描いて現在の状態と治療方法について説明
ダウンタイムとリスク
・ダウンタイム
・リスク
失明のリスクはあるの?
カウンセリング
事前準備
問診票を見て、氏名、年齢、今回のカウンセリングで相談したい内容、過去の美容外科での施術歴、現在の内服薬、アレルギーなどをチェックします。
クマについて、過去にヒアルロン酸や脂肪の注入歴、手術歴がある場合は治療計画に影響するので注意が必要です。
挨拶と本人確認
まず最初に行うことは本人確認です。当院の様に規模の小さいクリニックであればまず問題になることはありませんが、美容外科のカウンセリングは近い時間に複数名の予約を入れていることも珍しくありません。また、カウンセリングルームも複数ありますので、入る部屋を間違えてしまうと思っていた患者様と違う患者様のカウンセリングをしていしまうということもあり得るのです。そのため、まず患者様の氏名を確認するのがとても大切なプロセスになります。

また、私は自身の名前を患者様にお伝えし、簡単な挨拶もします。当院の場合、現時点で医師は私しかおりませんので、名前を名乗らなくても「誰やコイツ?」となることはありませんが、人と人とのコミュニケーションの場であるカウンセリングで、初対面の人に自分の名前を名乗るのは当たり前のことだと考えています。
診察

診察では、患者様に鏡を持ってもらい、クマの状態を一緒に確認していきます。目線だけ上を向いてもらうと、クマの原因となる眼窩脂肪がより膨らんでくるので、眼窩脂肪の分布範囲がわかります。クマが気になってくる患者様の99%は眼窩脂肪の前方突出による黒クマ(影クマ)が原因です。クマの種類と対策については関連コラムをご覧ください。
関連コラム:目の下のクマの種類と対策~青クマ・赤クマ・茶クマ・黒クマ(影クマ)
黒クマ以外にも、赤クマ、青クマなどが混在しているケースも珍しくありません。これらのクマの状態についても患者様に鏡を見せながらご説明します。また、眼窩縁の凹みの有無、皮膚のたるみの有無についても見ながら、治療計画を考えていきます。

眼窩脂肪の膨らみは、押すと引っ込みますので、二重整形のシミュレーションで使用する重瞼棒を膨らみに押し当てると、治療後のイメージを患者様に共有することも可能です。

絵を描いて現在の状態と治療方法について説明
診察で患者様のクマの状態について確認したら、治療方法について絵を描いて説明します。今回は、クマでカウンセリングで来る方の99%の方にある、黒クマ(影クマ)の治療方法を説明します。

黒クマは、目の周りを取り囲んでいる眼窩脂肪が前方に突出した状態であり、さらにほとんどの方は眼窩縁の凹みを合併しています。眼窩脂肪の膨らみと、その下にある眼窩縁の凹みにより形成される高低差が影を作り、クマの原因となります。
黒クマの治療では、眼窩脂肪の膨らみを引っ込めて、眼窩縁の凹みを埋めることで高低差を無くし、頬骨から涙袋の下縁に向かって緩やかに段差なく引っ込ませることを目指します。そうすると、影が消えてクマが消えるのと同時に、本来ある涙袋が復活します。
眼窩脂肪を引っ込める方法は、手術しかなく、その代表的な方法が経結膜脱脂術と裏ハムラ法です。
①経結膜脱脂術
経結膜脱脂術は、粘膜からアプローチして目の下の膨らみを形成している余分な眼窩脂肪を除去する方法です。余分な眼窩脂肪を除去することで、目の下の膨らみを引っ込めることができます。
また、眼窩縁の凹みに対しては、ヒアルロン酸注入をするか、脂肪注入をするかの2つの選択肢があります。ヒアルロン酸は、半年から1年ほどで吸収される可能性が高いですが、一部組織に沈着して残存することが知られています。また、クマの原因として眼窩脂肪の膨らみが8~9割、眼窩縁の凹みが1~2割の方が多く、仮にヒアルロン酸が全て吸収されて眼窩縁の凹みが復活したとしても、再度ヒアルロン酸を注入しに来る患者様がいるかというと、ほとんどいないのが実情です。従って、特に脂肪注入の希望が無ければヒアルロン酸注入でも十分なのではないかというのが当院の見解です。なお、当院の経結膜脱脂術(切らない目の下のクマ取り手術)には、ヒアルロン酸注射1cc分が含まれた料金となっております。
※眼窩縁のヒアルロン酸注射は1ccで足りる方がほとんどです。
当院が脂肪注入を積極的にお勧めするのは、眼窩縁だけではなくほうれい線や額など、複数部位を同時に改善したいご希望がある場合です。なぜなら、ヒアルロン酸注射は本数が多くなると高額になるため、施術部位や本数が多くなると脂肪注入の方がコストパフォーマンスが良くなるからです。また、目の下のたるみが強い方でも切開を希望しない患者様が多いのですが、脂肪を取ると皮膚が余ってしまい、術後に目の下がシワシワになったり、皮膚のたわみが残ってしまうことがあります。そのような方に、少しでもハリを持たせるために脂肪注入をお勧めする場合があります。
②裏ハムラ法
裏ハムラ法は、粘膜からアプローチして、眼輪筋に沿って頬骨まで剥離を進め、眼窩縁の凹んでいる部位に膨らんだ眼窩脂肪を移動(再配置)させる手術です。目の下の膨らみと眼窩縁の凹みを同時に改善できる理にかなった手術です。原則的にヒアルロン酸注入や、脂肪注入などの注入が不要なので、何も注入したくない人には特におすすめの施術です。
ただ、眼窩縁の凹みが強い場合や、ゴルゴラインを含む眼窩縁より尾側(下側)の凹みが強いケース、たるみが強いケースは注入系の施術を一緒にやった方が良い場合もあります。また、眼窩脂肪の量が多い場合は、裏ハムラ法であっても眼窩脂肪を適量切除します。
脱脂と裏ハムラの仕上がりに差はある?
当院では、経結膜脱脂術、裏ハムラ法の多数の施術実績がありますが、正直なところ、多くのケースで脱脂と裏ハムラ法の仕上がりに大きな差は無いと考えています。従って、どちらの施術がお勧めということもありませんので、最終的に患者様ご自身にどちらを受けるのか、ご判断頂いております。
良く言われている違いとしては、裏ハムラ法の方が再発率が少ないということです。しかし、裏ハムラ法が再発しないということではありませんし、脱脂術が再発しやすいということでもありません。
裏ハムラ法は頬骨の上まで剥離を進めるため、眼輪筋の収縮作用による笑った時の膨らみなどが脱脂術と比べて改善すると言われていますので、笑った時の膨らみが特に気になっている方に関しては、裏ハムラ法をお勧めています。
たるみが強い場合について
50歳前後になると、目の下のたるみが目立ってきます。特に、眼窩脂肪のふくらみが強いケースでは、脱脂や裏ハムラで眼窩脂肪を処理しただけだとたるみが残ってしまうので、術後に小じわが増えたり、皮膚のたわみが目立ってしまう場合があります。そのような場合は、下眼瞼たるみ取り、表ハムラ法という余分な皮膚を切除する切開系の施術をお勧めしています。
もちろん、ダウンタイムの長さなどを理由に切開まではしたくないという方が大半ですので、そのような場合、少しでもハリを出すために脂肪注入やECM注射をご案内しております。
ダウンタイムとリスク
ダウンタイム
ダウンタイムを腫れや内出血の目立つ期間とすると、経結膜脱脂術で1週間程度、裏ハムラ法で1~2週間というのが標準的な経過です。もちろん、強い内出血などが出た場合は消えるまで数週間かかる場合もありますが、必ず消えますのでご安心ください。
術後1週間前後で、ピンク色の涙が出て来ることがあります。これは、手術中の出血が固まったものが溶けることによって起きる現象です。また、術後1~2週間程度は粘膜の切開部がちょっとした刺激で出血しやすい状態になっています。もし、赤い鮮血の出血が見られた場合は、眼帯を数時間着用し、その上から保冷剤などで冷やしながら目を休めましょう。
リスク
腫れ、出血、内出血、血種、結膜浮腫、結膜下出血、薬剤アレルギー、血管迷走神経反射、効果不十分、左右差など。たるみが強い場合、術後に皮膚のたわみが残ったり、小じわが増える可能性があります。
結膜浮腫とは術中の腫れが、白目の表面にある眼球結膜という透明の膜まで波及した状態です。白目の表面がゼリー状に膨らみますが、数日で改善します。
結膜下出血は、手術中の出血が白目の表面まで波及した状態です。血液は鉄分を含んでおり重力で移動しますので、術後数日の間に赤い範囲が広がる場合があります。結膜下出血が見られた場合でも、自然に消失しますので特に心配は不要です。

失明のリスクはあるの?
SNS等で「クマ取り手術後に強く腫れて失明した」という投稿が話題になって、患者様から失明のリスクについて聞かれることが増えました。SNSの投稿者が本当に失明したかは定かではありませんが、強い出血によって、眼窩内の血種が眼球の裏側まで及び「球後血種」という状態になれば、視神経を圧迫して失明至る可能性があることは以前から指摘されています。
しかし、血種になるほど腫れること自体が稀であり、球後血種にまで至る可能性は非常に低いと考えています。というのも、私は以前にTCBという大手美容外科に在籍していまして、クマ取り手術はグループ全体で年間数万例行っていたと思いますが、在籍していた10年間で他ドクターの症例を含めても、失明者はもちろん球後血種まで至った症例が無かったからです。
もちろん、出血があれば止血しますし、血種になれば血種除去などの適切な対応をするので失明にまで至る可能性というのはほとんどないものと考えています。
コラム著者

大手美容外科TCB東京中央美容外科で約10年間勤務。仙台駅前院院長、新宿三丁目院(TCB本院)院長・東京都エリア総括院長を歴任。TCBでは技術指導医部門のトップ・二重整形教育最高責任者として、指導的な役割を務めていた。YouTubeなどで美容整形に関する情報発信に積極的で、その内容がテレビ、雑誌、ネットニュースサイトなどに多数取り上げられた。豊富な症例実績を背景に10年間で培った技術を適正価格で提供する手術専門クリニックを2025年、地元仙台に開業した。
症例数:二重手術1万件以上、クマ取り手術5000件以上、糸リフト・切開リフト5000件以上、下肢静脈瘤3000件以上
資格:外科専門医、脈管専門医
学会発表・論文:経結膜的埋没法重瞼術の抜糸法の要点と成績
詳しい経歴・プロフィールなどはドクター紹介をご覧ください。