皆さん、二重埋没法の一種である自然癒着法についてはご存知ですか?
「韓国式6点留め」や「韓流6点留め」などと呼ばれることもある通り、韓国から入ってきた埋没法の術式なのですが、クリニックやドクターによって糸の縫い方などが微妙に異なるので、「自然癒着法」という名前の埋没法であっても様々な種類がある術式です。
今回のコラムでは、一般的な自然癒着法について解説していきます。
【自然癒着法】って何?「二重が取れにくい」と噂の埋没法を美容外科医が徹底解説!
目次
自然癒着法とは
・自然癒着法=線留め埋没法?
・自然癒着法は自然なの?
・自然癒着法は癒着するの?取れにくいの?
当院の自然癒着法について
・当院の自然癒着法と匠式切らない二重埋没法
・料金設定と注意喚起
自然癒着法とは
自然癒着法=線留め埋没法?
「自然癒着法」という名称の二重埋没法は、一般的には以前のコラムで解説したジグザグ・複雑にまぶたを縫合する「ループ法」のことを指すことが多く、特に6カ所縫い目がある場合に「韓流6点留め」と称されると考えられます。

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さらに他院のホームページ等での解説文を読むと、「皮膚を切開したり、皮下脂肪を一部除去することで癒着を促して、二重の固定力を強くする」というような説明がなされているのが一般的です。
しかしながら、これも以前のコラムで解説した通り、二重埋没法は点留めでも線留めでも、糸を通しやすくするために予め糸を通す部位の皮膚を切開するのが一般的です。ほとんど全てのドクターは埋没法を行うにあたり、皮膚を切開したり糸を埋没しやすくするために皮下脂肪を一部除去しますので、切開の有無は自然癒着法の本質ではなく、あくまでもループ法のようにジグザグに縫う縫い方自体が自然癒着法であると考えるのが妥当でしょう。

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つまり、「自然癒着法とは、現在多くのクリニックで行われている線留め埋没法そのものである」と言えるかと思います。
自然癒着法は自然なの?
では、従来の点留め埋没法と異なり、線留め埋没法が自然癒着法と呼ばれている所以は何なのでしょうか。もちろん、目新しく凄そうな名前を付けて注目を集めるというマーケティング的な側面もあるでしょう。
また、自然癒着法はしばしば従来の点留め埋没法より取れにくく、しかし切開法のようにまぶたを大きく切開することが無いということで、「埋没法と切開法の良いとこ取りの術式」、「埋没法と切開法の中間に位置する術式」として説明されています。つまり、切開法の「取れにさ」と、埋没法の「自然さ」を両立させた術式であるということです。
二重を同じデザイン、同じ幅で作った場合、切開法より埋没法の方が自然に仕上がるのは美容外科医なら誰でも知っているので、「自然」というのは切開法に比べて「自然」であるというところに由来しているのではないでしょうか。
自然癒着法は癒着するの?取れにくいの?
また、自然癒着法の特徴として、皮膚を切開した部分が緩やかに「自然」と「癒着」するので、従来の埋没法より固定力が強いというような説明がなされている場合があります。
もちろん、人体は切開した部位や剥離した組織に瘢痕組織が形成されるので、それを「癒着」と表現するのであれば、「癒着」ができるのは間違いないと思います。しかしながら、それが二重切開法でできる癒着のような、二重ラインの形成や固定力の強化につながる癒着かというとそれは全く別モノと言えるでしょう。なぜなら、自然癒着法の抜糸を何度も行った経験がありますが、埋没糸を抜糸をすれば二重のラインは取れて手術前の状態に戻ってしまうからです。つまり、「自然癒着法とはループ状に留める線留め埋没法である」というのが本質であり、切開による瘢痕形成は無関係であると言えるかと思います。
さて、以前のコラムで皮膚を切開する埋没法と切開しない埋没法の解説をしました。皮膚を切開してしまうと皮膚側の組織に糸がかかりにくくなり、結果的に固定力が弱くラインが薄くなったり、持続性が悪くなるということをお話しました。つまり、自然癒着法の謳い文句である、「皮膚を切開すると癒着ができるから固定力や持続性が高まる」というのは、全くのデタラメであり、むしろ逆効果だというのが私の見解です。

関連コラム:匠式切らない二重埋没法とは?~皮膚を「切開する埋没法」と「切開しない埋没法」
当院の自然癒着法について
当院の自然癒着法と匠式切らない二重埋没法

ここまでのコラムを読んで、「おいおい、それなら、あんたのクリニックのホームページにも自然癒着法って名前のメニューあるけどなんでなん?」と思っている方もいるかもしれません。
これはとても鋭い指摘です。
先ほども説明しましたし、ホームページでも図付きで説明していますが、自然癒着法はループ状・複雑に縫い込む埋没法であり、一般的な切る線留め埋没法そのものです。つまり、一般的に他院で行われている切る線留め埋没法が当院でいうところの「自然癒着法」なのです。

そして、自然癒着法と全く同じ縫い方で、皮膚を全く切開せず針穴を利用することで「固定力」と「持続性」を高めた術式が『匠式「切らない」二重埋没法』というワケです。「自然癒着法」の本質は切ることでは無く、ループ状・複雑に縫うことですから、「匠式」の埋没法も広い意味では「自然癒着法」に分類されます。

さて、『「匠式切らない二重埋没法」の方が優れいているなら、切る術式である「自然癒着法」を埋没法のメニューに載せているのはなぜ?』と思う方も多いのではないでしょうか。それは、マーケティング的な側面が理由です。「私は自然癒着法を受けたい」という患者様がいた場合、「自然癒着法」のメニューが無い美容外科はそもそも選択肢から外れてしまうからです。「匠式」が自然癒着法と全く同じ縫い方をしていて、自然癒着法に分類されるにも関わらずです。
なお、当院に「自然癒着法を受けたい」という方が受診したことは何度もありますが、私の説明を聞いて全員が「匠式切らない二重埋没法」を選択しました。
料金設定と注意喚起

最後に、注意喚起です。
当院では、縫い方が全く同じで術式である「匠式切らない埋没法」と「自然癒着法」は同一の料金となっています。本音では「自然癒着法」の方が切るという工程が増えて手間がかかる分、料金を高く設定したいところですが、「匠式」の方が固定力や持続性が優れる上位メニューなので、「自然癒着法」が「匠式」より高くなるのはおかしいということで、同一料金に設定して患者様に選んでいただくという方針としています。
問題なのは他院では切る埋没法しか行っておらず、「線留め埋没法」と「自然癒着法」は実質的に同じことをやってるのに、料金に差をつけて「自然癒着法」を上位メニューにしているクリニックがあるということです。
繰り返しになりますが、自然癒着法とは通常の線留め埋没法そのものなので、目新しい凄そうな「自然癒着法」というネーミングに騙されないようにご注意ください。
コラム著者

大手美容外科TCB東京中央美容外科で約10年間勤務。仙台駅前院院長、新宿三丁目院(TCB本院)院長・東京都エリア総括院長を歴任。TCBでは技術指導医部門のトップ・二重整形教育最高責任者として、指導的な役割を務めていた。YouTubeなどで美容整形に関する情報発信に積極的で、その内容がテレビ、雑誌、ネットニュースサイトなどに多数取り上げられた。豊富な症例実績を背景に10年間で培った技術を適正価格で提供する手術専門クリニックを2025年、地元仙台に開業した。
症例数:二重手術1万件以上、クマ取り手術5000件以上、糸リフト・切開リフト5000件以上、下肢静脈瘤3000件以上
資格:外科専門医、脈管専門医
学会発表・論文:経結膜的埋没法重瞼術の抜糸法の要点と成績
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